東京都江東区で隣室の女性を殺害、バラバラにしてミンチにするなど、猟奇殺人事件をおこした星島被告に対し、 東京高裁で2審判決がありました。
判決は、第1審の判決・無期懲役を支持し、検察側の控訴を棄却したとのことです。
犯行自体は「おぞましい犯行」と認めたものの、謝罪の態度や前科がないことなどから、 矯正の可能性を捨てきれないので無期懲役を支持した、という感じのようです。
被害者の遺族の方々にとっては納得のいかない判決でしょうね。ただ、死刑を望む被告に対して、 希望通りでない無期懲役というのは、一種の懲らしめであるようにも感じました。
恐らく、検察側が上告して、最高裁の判断が問われることになるでしょう。
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バラバラ殺人・星島被告に無期懲役判決
YOMIURI ONLINE
マンションで遺体切断、星島被告2審も無期
東京都江東区のマンション自室で昨年4月、会社員東城瑠理香さん(当時23歳)を殺害し、遺体を切断して捨てたとして、 殺人やわいせつ目的略取、死体損壊などの罪に問われた元派遣社員星島貴徳被告(34)の控訴審判決が10日、東京高裁であった。
山崎学裁判長は「被告には矯正の可能性があり、極刑がやむを得ないとまでは言えない」と述べ、無期懲役とした1審・ 東京地裁判決を支持、死刑を求めた検察側の控訴を棄却した。
控訴審も、殺害された被害者が1人の事件で、死刑を適用すべきかが争点。検察側は、星島被告が殺害後、 遺体を切り刻んで捨てたことについて、「殺人と一体のものとして評価すべきだ」と主張した。この点判決は「(死体損壊は) 殺人事件での量刑の事情として考慮できる」と理解を示し、「人間の尊厳を無視した誠におぞましい犯行だ」と述べた。
また、1審判決は死刑を避ける理由として、殺人の計画性がないことを挙げたが、判決は、星島被告が警察の動きを知ると、 ちゅうちょなく殺害したことから、「計画性がないことに、1審ほどの力点を置くことはできない」と指摘した。
しかし、被告に有利な事情として、〈1〉捜査段階や公判でも、犯行を詳細に供述し、謝罪の態度を示している〈2〉 前科がない――などの点を挙げ、「矯正できない人格だと切って捨てることはできない」と判断した。
判決によると、星島被告は昨年4月18日、乱暴目的で東城さんの部屋に押し入り、東城さんを自室に拉致。 首を包丁で刺して殺害した後、遺体を細かく切断してトイレに流したり、ごみ置き場に捨てたりした。
◆遺族「納得できない」◆
星島被告はこの日の判決を含む3回の控訴審公判に一度も出廷しなかった。山崎裁判長は午前10時の開廷後、 「被告は出頭しません」と告げ、星島被告不在のまま「本件控訴を棄却する」と主文を読み上げた。
傍聴席には、喪服姿の遺族とみられる女性が座っていたが、判決直後、気を失ったようにイスにもたれかかり、 他の遺族や高裁職員らに両脇を抱えられて法廷を出た。
星島被告は1審の被告人質問で、「死刑になって地獄でおわびするつもり」などと、 死刑を望む心境をたびたび口にしていた。弁護人の水野晃弁護士によると、「その後も死刑を望む気持ちは変わっておらず、 気持ちがぶれたことはない」という。
控訴審では、東城さんの母親と姉が出廷。母親は1審判決について、「(遺族のことを)全然考えていない。 瑠理香も絶対納得していない」と述べ、姉も「家族は瑠理香の最後の姿を見ていない。死刑でなければ納得できない」と訴えていた。
(2009年9月10日14時25分 読売新聞)