このところ急激に売上げ台数が増えているハイブリッド車ですが、走行音が静かすぎて、かえって危険なことがあるという声が視覚障碍者などから出ているそうです。
海外でも同様な問題点は指摘されており、国土交通省は検討委員会を立ち上げて、年内に対策をまとめるようです。
低速時など、モーターだけで走行しているとエンジン音がしないので走行音は従来に比べると相当に静か。乗車している者にとって、あるいは自動車の騒音に悩む者にとってはメリットなのですが、逆に音がしないと歩行者や自転車に気づかれにくい、というデメリットが出てきました。
例えば、プリウスが車庫入れしている時にモーター走行していると確かに気づきにくい。私もクルマが動いていることに気づかず、驚いたことが何度かあるので、視覚障碍者ならばなおさらでしょうね。
しかし、こういったデメリットが議論されるようになってきたということは、それだけ普及してきて一般への認知度が高くなってきたと言うことです。
また、音の問題はハイブリッド車に限らず内燃機関を使わない次世代自動車に共通する問題だと思うので、今議論して対策をしておくのは必要不可欠なことでしょうね。
音で解決を図るなら、エンジン音よりは静かになり、かつクルマの接近がわかる程度の音を発する、というような感じで、イイトコ取り的な解決が出来れば良いですね。
検討委員会の知恵の絞りどころですかね。
YOMIURI ONLINE
ハイブリッド車、静か過ぎて危険…接近気づかない恐れ
エコカー減税を追い風に売り上げを伸ばしているハイブリッド車が、「走行音が静かすぎる」という思わぬ壁にぶつかっている。
視覚障害者らから「車の接近に気付かず、危うく衝突するところだった」などの声が上がっており、国土交通省は2日、有識者や業界団体、視覚障害者団体など関係者を集めた対策検討委員会(委員長=鎌田実・東京大教授)での議論をスタートさせた。
ハイブリッド車は低速走行中や発進時にはモーターだけで走ることが可能で、エンジン音がしないため、歩行者や自転車が車の接近に気付かないことがある。こうした“音問題”は国際的にも注目され、既に米議会や国連の専門家会議でも取り上げられている。
検討委ではこうした海外の動きも報告され、「ハイブリッド車の普及でリードしてきた日本が、音の問題でも率先して対策を打つべきだ」などの指摘も出た。
今後は、危険を知らせるために人工的に音を出す仕組みを作るなど、必要な対策を年内に打ち出す方針だ。
(2009年7月3日03時52分 読売新聞)
トヨタ車ということであれば、以前クラウンが静かすぎて背後からの接近に気付かず、膝カックン食らいそうな距離にまで接近していて驚いたのを思い出します。ましてや、プリウスでは更に静かでしょうから、わざと音を出すのも必要かもしれませんね。
どんな対策とするのか興味があるところです。
人と技術の関わりにおける問題を示す良い例では。
実は、うちの職場で視覚障害者と接触事故があったのですが、車はプリウスで低速だったのでモーター走行中。そこで接触してしまったのですが、エンジン音があれば気がついたのかもしれません。
これ、メーカーでは研究が進んでいたりするんですよ。
メーカーでは既に問題を認識しているのですね。
だとすると、当面の対策は何とかなるのでは。
メーカー独自にいくつか対策が出てきそうですが、将来のことを考えるとレギュレーションで決めておく必要があるかもしれませんね。