国内では沖縄本島と奄美大島だけで生息しているマングースが、鹿児島市で確認され、本土に上陸したことがわかりました。
マングースは、昔ハブの駆除にと持ち込まれたものの、あまり役には立たず、 今やヤンバルクイナやアマミノクロウサギなどの天然記念動物を捕食して繁殖し、自身が駆除される対象になっています。
人間の都合により持ち込んだ外来生物ですが、皮肉な結果を招いてしまいました。
生息は確認されたものの、今のところ被害は報告されていないとのこと。もし九州で繁殖して、 数が増えてきたら被害が出るのかも知れません。日本の在来動物では、タヌキやイタチと競合するポジションのようで、 生態系が崩れてマングースの天下になる可能性もあるようです。
人間の手で完全に駆除するのは難しい。日本の自然環境に適応すれば、九州からさらに北上してくる可能性もあるでしょう。
日本のマングースにはこれと言った天敵がいないそうですが、自然界に天敵がいれば、それほど数も増えないのでは。 といっても、熊、あるいは野犬ぐらいしかいませんか。
asahi.com
マングースついに本土上陸、生態系崩れる危険 鹿児島市
2009年6月22日22時55分
国内では沖縄本島と鹿児島県・奄美大島だけに生息するマングース(ジャワマングース)が鹿児島市で確認されたと22日、 県が発表した。本土での生息確認は初めて。ペットとして飼うのは禁じられており、船便に紛れて侵入した疑いがあるという。 生息地では絶滅希少種の動物を襲って勢力を拡大中。県は生態系が崩れる危険性があると心配し、環境省と対策を話し合う予定だ。
県自然保護課によると、07年8月に市内の路上で見つかった死骸(しがい)を環境省奄美野生生物保護センター (鹿児島県大和村)が調べ、ジャワマングースのメスだと最近わかった。 市内の野鳥の会会員からは今年4月に市内で3回目撃したと情報が寄せられ、写真からマングースと確認したという。
マングースは主に西アジアやインドに生息する小型の肉食獣。 奄美や沖縄には戦前から戦後にかけてハブを駆除するために持ち込まれた。奄美ではアマミノクロウサギなどを襲い、 沖縄では本島南部から北上してヤンバルクイナの天敵になっている。
同課は「船便に紛れて来たか、意図的に持ち込まれたのだろう」と推測する。被害は確認されていないが、担当者は 「九州でもタヌキやイタチなどを抑えてマングースが君臨するかもしれない」と不安そうに話した。(三輪千尋)