佐賀県上峰町の町長(30歳で、現職首長では全国最年少だそうです)が、町長の給与を50%カットする議案と、 それにより浮いた財源を福祉タクシーに充てる補正予算案を町議会に提出したそうですが、議会で「否決」されたとのこと。
給与の50%カットは町長選での公約だったそうです。 議会の7割方(といっても定数10なので7名)は対立候補を支援していたそうなので、議会運営が難しいのかも知れませんね。
上峰町は、佐賀県内の自治体としては実質公債比率が高くワースト1のようです。そんな財政状況で、 今回否決されたという町長の提案は悪くないと思いますが、否決された理由は何なのか。
まず「町長の給与をカットしたら、町議の給与カット要請が出てくる恐れがある」− もう保身のための予防線そのままですね。
さらに「他の自治体の住民が、自分たちの首長もと言いだしかねない」−周辺自治体との横並び、仲良くお手々つないで、 ということですか。
現職町長が気に入らない、ということもあるのでしょうが、こんな理由に「田舎」の姿を垣間見た気がします。 今まで通りではやっていけない時代になっているのに、議員の意識は昔のままなのが、如実に表れていると思います。 このまま進んでいけば、沈没する一方でしょうね。
ただ、もし町議の給与カット要請が出てきた場合に、 かわしてはねのけるしたたかさを持っていないように見受けられるので、根っから利己的ではないようですね。
まだ傷むことのある「良心」を持っているようなのは、救いかも知れません。
asahi.com
全国最年少町長、自ら給与半減を提案したら、議会が否決
2009年6月20日7時50分
現職首長で全国最年少の武広勇平・佐賀県上峰町長(30)が6月議会に提案していた町長給与50%カットの議案が、 19日の本会議で否決された。カット分を在宅障害者が通院に利用できる「福祉タクシー」 の財源に充てる前提で同時提案した一般会計補正予算案もあわせて否決された。武広町長は「自信をもって提案していただけに残念。 修正して再度提案するかどうかは検討する」と述べた。
武広町長は、前町長が公職選挙法違反(寄付行為)の有罪確定で失職したのに伴う3月の町長選で初当選。町議会 (定数10)のうち前町長派ら7人が支援した対立候補を破った。給与の半減は町長選の公約だったが、この日の採決では賛成3人、 反対6人で否決された。
上峰町は実質公債費比率が23.3%(07年度決算)で佐賀県内の自治体では最悪。17日の一般質問では、 町長選で対立候補を支援した議員の一人は「町財政にとってはありがたいが、町長給与を50%カットする議案が通れば、 それなら町議も、と町民から要請される恐れがある」「他の自治体の住民が、わがまちの首長も、と言い出しかねない」 と反対の理由を表明した。
竹原信一阿久根市長あたりが最先鋭でしょうか。
議員報酬もさることながら、議員数も多過ぎる気がします。国会議員を減らせという声を恒常的に聞きますが、それ以上に地方議会の議員数を削減するべきと思います。
市町村合併の際に、議員定数を減らさないのが問題になっていましたね。
自身で律する、ということが非常に難しいみたいです。利権の固まりみたいなものだからか。
その辺は議会よりも首長の方が、トップダウンで提案できるので柔軟性はありますね。