正式発表はまだのようですが、WHOが新型インフルエンザの警戒水準をフェーズ5から最高のフェーズ6へ引き上げるとのことです。世界各国での感染の広がりが大きく、もはや経済への影響、社会への影響と言っていられない、ということなのでしょう。
パンデミック=世界的大流行に認定されたということになりますが、今回の事態を受けて、感染の地域的広がりを表す従来の「フェーズ」とは別に、病原の強さを表す指標も示されることになり、今は重症、中度、軽症のうちの「中度」としているそうです。
フェーズ6に引き上げるとはいうものの、感染してもほとんどが軽症であるため、渡航制限や経済活動の自粛は必要ない、との見解だそうです。
神戸で患者が見つかり、感染が広がりだしてから1ヶ月あまり。
既に報道熱は冷めて、あまり大きく扱われることもありませんが、国内の患者数は確実に増えていて、昨日の段階で520人を越えています。地域も、関西や首都圏以外も九州や北海道など、どんどん広がっています。
47都道府県全てで患者が確認されるのは時間の問題でしょうか。
熱しやすい日本国民なので、これぐらいの醒めた状況の方が「パンデミックだ!」とパニックにならないで、淡々と冷静に対応できそうなので、かえって良いのかも知れません。
やっぱり、急に子供らに休校や外出禁止令が出るのは混乱しますし、何より元気な子供たちにずっと家に閉じこもっていろ、というのもストレスはたまるし、親は親で苦労があるし、となかなかに大変ですよ(^^;
丁度梅雨入りしたので、感染の広がりは落ち着いてくるのではないでしょうか。気をつけておきたいのは、この冬の季節性インフルエンザのシーズンに、新型インフルエンザがパワーアップして病原性が強くなっている可能性。
あのマスクや消毒薬が手に入らなくなった状況を思い出すと、今からでもコツコツと備蓄しておく方が良いかも知れません。先月の突然の休校措置を「5月の予行演習で貴重な体験をしたな」、と思い出すような事態にならないで欲しいですね。
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YOMIURI ONLINE
「フェーズ6」宣言へ…WHO緊急委員会、引き上げを勧告
【ジュネーブ=平本秀樹】世界保健機関(WHO)は11日、新型インフルエンザ(豚インフルエンザ)の警戒水準をめぐって専門家による緊急委員会を開催し、同委はマーガレット・チャン事務局長に対し、世界的大流行(パンデミック)を意味する最高の「フェーズ6」への引き上げを勧告した。
WHO関係者が本紙に明らかにした。チャン事務局長は同日夕(日本時間12日未明)、記者会見で引き上げを宣言する。
メキシコ、米国で4月以後、急速に広がった新型インフルエンザは、WHOによると11日までに世界74か国・地域に拡散し、感染者は2万7000人以上に達する。感染者の増大は、冬に入った南半球で顕著で、オーストラリアでは毎日100人のペースで増え、1200人を超した。
WHOの警戒水準は地理的な広がりを尺度に定められており、フェーズ6は、世界の2地域で人から人への持続的感染が起きていることが条件。北米に加え豪州でも人から人への持続的感染が確認されたため、フェーズ6への引き上げが避けられなくなった。
チャン事務局長は、感染者の大半の症状が軽度であることを踏まえ、警戒水準引き上げに当たって、渡航制限や企業活動自粛など人やモノの移動を制限する措置が必要ないことを説明し、各国に冷静な対応を求める。
新型インフルエンザの世界的大流行は死者100万人に及んだとされる1968年の「香港風邪」以来41年ぶり。
新型インフルエンザが拡大する過程では、警戒水準が各国の対策を左右するだけに、ウイルスの地理的な広がりだけでなく、病原性の強弱を表す新たな尺度の必要性も認識された。WHOは今回は「重症」「中度」「軽症」の3段階のうち「中度」としている。
WHOは新型インフルエンザの警戒水準を4月29日にフェーズ5に引き上げた。
5月初め、英国やスペインでも感染者が増大し、フェーズ6への引き上げが本格的に検討されたが、世界的大流行を宣言することによる経済的、社会的影響への懸念から、欧州諸国のほか日本や中国が反対したため、引き上げは見送られていた。
(2009年6月11日23時02分 読売新聞)