山口県美祢市の秋芳洞にほど近いホテルで起きた一酸化炭素中毒事件。その後の事故原因調査により、 どうも煙突にフタがされていて排気ができず、ガスが建物内に漏れだして充満したことが原因の可能性がある、 というあたりまで見えてきたようです。
また、排気ガスの逆流が不完全燃焼を引き起こしていた可能性もあるとのこと。
なぜ、煙突にフタがされたのか?引用記事を読んでいてもわかりにくいのですが、本来、煙突が二つあって、 一つは使っていないということで塞いだのでしょうね。
そのまま塞いだ煙突を使わなければ良かったのでしょうが、なぜかまたボイラーを接続して使っていたようです。
使うにしても、フタを撤去していれば良かったのでしょうが、撤去しなかった。これは、明らかに設置・管理側の責任です。
この状態は、いわば自動車の排気ガスを車内に引き込む自殺方法の建物版みたいなものです。 いつからこうなっていたのか、起きるべくして起きた事故でしょうね。事故発生の時間帯によっては、 大惨事になっていた可能性もあります。
先日書いた関連記事で、「人災」らしいとのコメントをいただいていましたが、確かにこれは「人災」です。
(関連記事)
一酸化炭素中毒と賠償で破産
YOMIURI ONLINE
煙突ふた外せば煙排出…山口CO中毒、県警が実験
山口県美祢(みね)市の「山口秋芳プラザホテル」で起きた一酸化炭素(CO)中毒事故で、同県警が7日、 ホテル屋根上に設置されている煙突のふたを取り外し、排気管に白煙を注入して実験したところ、 煙は煙突の先端部から大量に排出された。
これまでの実験では、煙が煙突から出ず、ホテル内部に漏出していた。県警は、このふたによって十分な排気ができず、 事故が発生した可能性もあるとみて、ホテル関係者から事情を聞いている。
県警などによると、煙突は、2基のボイラーのうち、事故当時に稼働していたボイラーの排気管とつながっている。 先端部には、金属製とみられる白いふたが取り付けられ、接着剤のようなもので固定されていた。
捜査員がふたを取り外した後、ボイラーの排気管に白煙を注入すると、先端部から煙が排出され続けた。
県警と合同で調査した経済産業省原子力安全・保安院は「煙突は換気の機能を十分果たしていなかった」とし、 ふたがあるために排気が逆流し、ボイラーが不完全燃焼を起こした可能性があるとみている。
(2009年6月8日03時14分 読売新聞)
47News
ボイラーの煙突上部にふた 山口のCO中毒事故
山口県美祢市の「山口秋芳プラザホテル」で22人が病院に運ばれ、カメラマンの男性が一酸化炭素(CO) 中毒で死亡した事故で、地下のボイラーからつながる排気用の煙突上部にふたが設置されていたことが6日、 山口県警への取材で分かった。
COが正常に排出されなかった可能性もあり、県警はホテル関係者から事情を聴き、設置の時期や目的を調べるとともに、 ボイラーの燃焼への影響などを調べる。
県警は6日、事故発生翌日から4日目となる現場検証を実施。経済産業省原子力安全・ 保安院の担当者や専門家らによる調査チームも、現地入りした5日に続いてボイラーの状況などを調査する。
ボイラーメーカーによると、煙突は外壁と内壁の間に垂直に設置され、 事故発生時に稼働していたボイラーにつながっている。このボイラーは1999年に設置。 当初は建物外部に新設したステンレス製の煙突と接続された。
その後、不具合があり2007年に新品と交換。メーカー側は、古いボイラーは使用しないと認識していたが、 事故当時は古い煙突に接続され、再び稼働していた。
2009/06/06 11:45 【共同通信】
当初、バーベキューをしていたとかいう報道があったためか、そちらが原因かと思っていましたが、そうではなく、このホテル側の過失だったようですね。厳しく責任が問われるべきでしょう。あってはならないことでございます。
ホテル側の安全管理面が相当いい加減な感じを受けます。
後、設備メーカーはどうだったのか?という点も気になります。
まずは、さらに詳しく調べて責任の所在を明確にする必要がありますね。
その上で、言われるように厳しく責任を問うべきですね。
で、あのホテルですが責任を取ってか廃業するようです。
廃業したところで死亡したカメラマンさんの命は戻ってきません。
コメントありがとうございます。
様々な不注意や不具合が重なって起きた事故のようですね。
廃業も致し方なしでしょうが、賠償などで責任も負うべきだと思います。