奈良県桜井市に、箸墓古墳という古墳があります。現在は、孝霊天皇の皇女の墓として管理されているそうですが、 実は卑弥呼の墓ではないか、という説のあるそうです。
その箸墓古墳ですが、調査によると築造時期が卑弥呼の亡くなったとされる時期と重なっており、 墓である可能性が高くなったとのことです。
古墳から出土している土器に付着した炭化物を「放射性炭素年代測定法」という方法を用いて調査したそうです。 放射性同位体が半減する性質を利用するものですね。
その測定値を「年輪年代測定法」の年代に換算した、と書いてありますが、こちらは意味がよくわかりませんでした。 年輪年代測定法というのは、樹木の年代をかなり正確に特定できる手法だそうですが、これに換算することで、 測定精度を高くできるのでしょうかね。
卑弥呼と言えば、日本の歴史の中でも相当な有名人で、なおかつ謎が多い人物。特に彼女が治めていた邪馬台国の所在地は、 畿内か九州か、といまだ解明されていない積年の大きな謎ですね。
今回の調査結果は、畿内説にかなり有利な結果ですが、この調査手法だけでは、完全なる決め手とはならず、 他にもいろいろと証拠を積み上げる必要があるようです。
これがきっかけとなって邪馬台国の所在地が確定したら、大きなニュースになるでしょうね。日本の歴史上、 画期的な発見となることでしょう。
Wikipedia
箸墓古墳
産経ニュース
卑弥呼の墓か、築造期一致 歴博研究グループ調査
2009.5.29 09:38
邪馬台国の女王卑弥呼の墓説がある奈良県桜井市の前方後円墳、箸墓(はしはか)古墳(全長約280メートル) の築造時期が、土器などの科学的分析で240〜260年と推定されることが、国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市) の研究グループの調査で分かった。
中国の歴史書「魏志倭人伝」によると、卑弥呼は248年ごろに死亡したとされる。研究グループの春成秀爾同館名誉教授 (考古学)は「時期が一致し、卑弥呼の墓の可能性が極めて高くなった」と指摘。 畿内説と九州説に2分される邪馬台国の所在地論争に影響を与えそうだ。
研究グループは「放射性炭素年代測定法」と呼ばれる手法を使い、箸墓古墳の周濠(しゅうごう) から出土した築造時とみられる土器10点に付着した炭化物を分析、測定値を年輪年代測定法の年代で換算した。この手法には、 精度や測定データ処理に対し、慎重な見方をする研究者もいる。
2009.5.29 11:11
福永伸哉大阪大教授(考古学)の話 箸墓古墳の築造時期は、ほぼ同じころとみられる古墳で出土した銅鏡の研究から、 250年前後と主張してきた。魏志倭人伝など、当時を知り得る資料から言えば、 これだけの巨大な古墳に埋葬されたのは卑弥呼だろう。ただ、放射性炭素年代測定法は万全とは考えていない。 他の方法での実証や検証を積み上げて年代を決めるべきだ。