神戸の高校生が新型インフルエンザに感染していることが確認されました。海外への渡航歴が無いそうなので、国内での感染が広がっている可能性が高いようです。
今のところ、同じ高校の生徒約20名が体調不良などを訴えているそうで、感染の可能性があるようですね。
人から人への感染がはじまっているようです。外出時は感染機会を減らすようになるべく人混みをさける、また手洗いやマスクの着用など、予防対策を徹底していくことになります。学校や保育施設などは状況に応じて臨時休校が要請されるようになります。
ただし、冷静に対処していくことに変わりはありません。
それにしても、人の動きが広範囲になっているとは言え、神戸で初確認は意外でした。感染が広がっていれば、ほどなく大阪でも確認されることでしょう。関西から広まっていきそうな状況ですね。
海外では、普通なら発症しにくい10代〜20代の若者が発症するケースが多いと伝えられていましたが、日本でも今のところ同じような傾向にあります。
やはり、ある年代から上は、昔、今回の新型インフルエンザに類似のウィルスにさらされた経験があって、いくらか免疫力がついているのかもしれませんね。
2009.05.16 22:10 追記
大阪でも女子高生1名が感染濃厚で、体調不良が100名以上とか。予想以上に早い印象ですが、潜伏期が終わって顕在化してきたということでしょうか。
既にかなり広まっていそうです。しかし、ここでもまた高校生なのですね。
(関連記事)
[アメリカ] 新型インフルエンザか?
[豚インフル] WHO フェーズ4へ警戒レベル引上げ
[新型インフル] WHO フェーズ5へさらに警戒レベル引上げ
[新型インフル] 日本初の感染者確認
asahi.com
新型インフル、国内初の発生確認 神戸の高校生、陽性
2009年5月16日15時7分
厚生労働省は16日、国立感染症研究所での詳しい検査で、神戸市内の県立高校3年生の男子が新型の豚インフルエンザに感染していることを確認した、と発表した。検疫を除く国内で初めての発生。同じ高校に通う2人の高校生も、神戸市環境保健研究所の検査で、陽性反応が出ている。政府は同日午後、対策本部の幹事会を開き、国内対策をこれまでの「第1段階(海外発生期)」から「第2段階(国内発生早期)」に切り替えた。
厚労省によると、3人とも渡航歴はなく、国内で、人から人への感染が広がっている可能性がある。この高校ではほかにも17人が体調不良を訴えており、感染の広がりを調べる疫学調査は5月10日にさかのぼって実施する。
朝日新聞の取材では、県立神戸高校の生徒らだという。
政府の方針は今後、水際での食い止め重視から、地域での感染拡大防止を主眼にした段階に移る。
舛添厚労相は16日午後、記者会見し、「国民の皆さんは正しい情報にもとづき、どうか冷静に対応頂くようお願いします」と呼びかけた。
舛添厚労相は会見で「患者と濃厚接触した方には外出自粛の要請を行うことになる」と話した。今後については、「まずは正確な情勢把握を急ぎたい」とする一方、国内対策について「感染の状況に応じて、臨機応変に適切にやっていきたい」と述べた。
神戸市は16日午前7時、矢田立郎市長を本部長とする「新型インフルエンザ対策本部」を開催。3人が通う神戸高校がある同市灘区と、東灘区や中央区の全市立小中高校と幼稚園の計75校園を22日まで7日間、休校・休園にすることを決めた。
新型インフルエンザの問い合わせに追われる発熱相談センター=16日午前11時33分、神戸市役所、西畑志朗撮影
神戸高校も休校を生徒らに通知。市はさらに、隣接する兵庫県芦屋市と3区内の県立・私立高校などにも休校を要請した。芦屋市教委は市内の小中学校と幼稚園を休校・休園とし、神戸大も休講することを決めた。厚生労働省も職員を派遣した。対象の児童、生徒は3万6千人にのぼるという。
新型インフルエンザの感染が確認されたのは、神戸高校に通う3年生男子(17)。さらに、同市環境保健研究所で陽性反応が出ているのは、同校に通う2年生の男子(16)、2年生の女子(16)。
感染が確認された3年生男子生徒は11日に悪寒を訴え、12日に登校したが、37.4度の発熱で早退し、市内の診療所を受診し、簡易検査でインフルエンザと判明。15日に同市環境保健研究所がウイルスの遺伝子を調べるPCR検査をしたところ、新型インフルエンザの陽性反応が出た。
男子生徒は治療薬リレンザの処方を受け、自宅療養していたが、16日、感染の広がりを抑えるために市内の指定病院に入院している。現在の容体は安定しているという。
2年生男子は15日に発熱し、市内の別の診療所を受診し、簡易検査でインフルエンザと判明。夕方には39.7度の熱が出て、リレンザで治療している。16日未明に市内の指定病院に入院し、同日朝、遺伝子検査で新型インフルエンザの陽性反応が出た。
2年生女子は12日に発熱。3年生男子と同じ診療所を受診、簡易検査をしたところインフルエンザと判明し、16日未明に市内の指定病院に入院した。16日朝の遺伝子検査で、新型のインフルエンザの陽性反応が出た。現在は熱も下がり、ほぼ回復しているという。
神戸市は家族などから、3人の行動や接触者らの調査を始めた。いずれも海外渡航歴はなく、家族などには発熱症状などはみられないという。陽性反応が出た3人とは別に、体調不良を訴えている17人の一部は薬で治療を受けている。
国の新型インフルエンザ行動計画の第2段階は、国内で感染の広がりをできるかぎり抑えることが最大の目的となる。
都道府県は必要に応じ、学校に臨時休校を勧める。指針では、休校が始まるのは原則として都道府県で1例目の患者が出た場合とされている。ただし、生活圏や通学の状況などを踏まえ、市区町村単位で判断することもありうる。
2009年5月16日16時39分
政府の新型インフルエンザ対策本部幹事会が16日、確認した事項は次の通り(全文)
政府は、新型インフルエンザの発生は、国家の危機管理上重大な課題であるとの認識の下、新型インフルエンザへの対策に総力を挙げて取り組むこととし、メキシコでの発生が確認されて以来、情報の収集と提供、在外邦人の支援とウイルスの国内侵入の防止を目的とした水際対策を実施してきた。
この間に確認された海外の症例等を見ると、今回の新型インフルエンザについては、通常の季節性インフルエンザと同様に感染性は強いが、多くの方が軽症のまま回復したことが確認されている。
しかし、基礎疾患のある者を中心に、重症化する傾向があり、死亡例も報告されている。
本日、新型インフルエンザの患者が国内で確認され、地域における感染が始まった可能性が高いことから、基本的対処方針(1日対策本部決定)を踏まえ、自治体、医療機関、事業者や関係団体と連携・協力し、国民の協力を得て、当面、次の措置を講ずる。
【1】広範な情報収集と国民に対する迅速かつ的確な情報提供を行う。
(1)ウイルスの感染力や病原性、検査方法、感染防止策、治療方法等に関する正確な情報提供を行う。
(2)国内サーベイランスを強化する。
(3)問い合わせに対し、発熱相談センターや自治体、厚生労働省や外務省等の相談窓口において適切に対応する。
【2】国内での患者発生に対応した医療体制の整備等を早急に進める。
(1)発熱外来の整備を進める。整備の方法については、各自治体が地域の実情を踏まえ、適切かつ柔軟に判断する。
(2)抗インフルエンザウイルス薬等の円滑な流通を確保する。
(3)患者との濃厚接触者や、医療従事者、初動対処要員等のうち感染防止策が不十分なため、ウイルスに暴露した疑いのある者に対し、抗インフルエンザウイルス薬の予防投与を行う。
【3】地域や職場における感染拡大を防止するため、患者や濃厚接触者が活動した地域等において、次の措置を講ずする。
(1)積極的疫学調査を徹底する。
(2)外出に当たっては、人混みをなるべく避けるとともに、手洗い、混み合った場所でのマスク着用、咳(せき)エチケットの徹底、うがい等を呼びかける。
(3)事業者や学校に対し、時差通勤・時差通学、自転車通勤・通学等を容認するなど従業員や児童・生徒等の感染機会を減らすための工夫を検討するよう要請する。
(4)集会、スポーツ大会等については、一律の自粛要請は行わないが、主催者に対し、感染の広がりを考慮し、当該集会等の開催の必要性を改めて検討するとともに、感染機会を減らすための工夫を検討するよう要請する。
(5)学校(大学を除く。以下同じ)・保育施設等については、児童・生徒等を通じて感染源となりやすいことから、発生した患者が学校・保育施設等に通う児童・生徒等である場合、人口密度や生活圏域等を考慮しつつ、原則として、市区町村の一部または全域、場合によっては都道府県全域の学校・保育施設等の臨時休業を要請する。また、発生した患者が児童・生徒等以外である場合であっても、二次感染が生じ、さらに感染拡大のおそれがあるときは、同様に、学校・保育施設等の臨時休業を要請する。なお、臨時休業は、基本的には、発生段階が回復期に至るまでは継続することになるが、疫学的情報を踏まえ、各都道府県において1週間ごとに検討を行う。大学に対しては、休業も含め、できる限り感染が拡大しないための運営方法を工夫するよう要請する。
なお、従業員の子ども等が通う保育施設等が臨時休業になった場合における当該従業員の勤務について、事業者に対し、配慮を行うよう要請する。
(6)事業者については、事業運営において感染機会を減らすための工夫を検討するよう要請する。
【4】水際対策としての検疫・入国審査及び発生国における在外邦人に対する支援に引き続き取り組む。
【5】ウイルスの病原性等の解析及びパンデミックワクチンの開発に取り組む。
【6】電気・ガス・水道、食料品・生活必需品等の事業者に対し、供給体制の確認や事業継続に向けた注意換気を行う。
【7】必要に応じ、次の措置を講ずる。
(1)食料品・生活必需品等の購入に当たっての消費者の適切な行動を呼びかける。
(2)社会混乱に乗じた各種犯罪の取り締まり等治安の維持に当たる。
2009年5月16日12時29分
海外渡航歴のない高校生が新型インフルエンザに感染していた。疑いが出ている2人とは同じ高校だが、学年や部活動はみな同じではない。同校では体調を崩した生徒が10人以上いる。何らかの経路で海外から入った新型ウイルスによって、少なくともこの高校で人から人への感染が起きている可能性が高い。4月に新型インフルの集団感染があった米ニューヨークの高校では、メキシコに旅行したのは7人だったが、生徒や職員、その家族ら千人以上が発症したとされる。
もともと検疫で国内発生を阻止することは難しい。インフルエンザは感染しても1〜7日程度、症状が出ない潜伏期間がある。その間に検疫を通れば、水際で感染者を見つけて阻止することはできない。米疾病対策センター(CDC)は現在の米国の推計感染者数は10万人以上との見方を示しており、海外で感染して国内に持ち込まれる機会は広がっている。世界保健機関(WHO)の進藤奈邦子医務官も「感染がここまで広がると水際対策だけで新型ウイルスが入るのを食い止めるのは難しい」と指摘していた。
これからは国内のあちこちに新型ウイルスが入っていることを想定した医療対応を急ぐ必要がある。例えば、海外渡航歴がなくても急に肺炎などの病気になった患者がいたら、新型の感染を疑って検査する。CDCの暫定指針では、健康だった65歳未満の人がインフルエンザのような症状で入院した場合には、感染を疑うことになった。
感染すると重症になりやすい妊婦や高齢者、肺や心臓に持病がある人などは特に注意が必要だ。米国では持病があった人たちが新型インフルで亡くなっている。
一方、米国などの多くの患者や、成田空港の検疫で見つかった高校生らの症状は毎冬の季節性インフルと同様で、順調に回復している。タミフルなど抗インフル薬も効いている。
今後、患者の周辺などでインフル症状が出た人がいたら、病院へ行くのではなく、まず発熱相談センターに電話相談してほしい。他の人にうつさないためだ。感染の広がりに警戒が必要だが、恐れすぎず、冷静な対応が求められる。(編集委員・浅井文和)