野菜や果物を室内で安定的に栽培する、言わば「野菜工場」の普及に向け、政府がいろいろな支援を行うそうです。 現在は、大手食品メーカーが行っていて、全国で40ヶ所ほどあるらしいです。
室内栽培だと、温度や湿度、養分など生育環境をコンピューター管理し、作物の品質を一定に保ちやすいとのこと。 レタスが年20連作できるなど生産性も高く、屋外と遮断することで害虫を防げるので農薬を使わないで済む、 という副次的なメリットもあるようです。
野菜工場の立地としては、工場跡地や耕作放棄地、商店街の空店舗の利用など、 有効に使われていない土地を考えているようです。
第一次産業と第二次産業の中間にあるようなこの野菜工場、
従来型の農業と比べると、土から離れている分(多分、土はあまり使わないのだろうと想像)、 また組織として労働者が雇用されるでしょうから、新しく労働力が入って行きやすいのは行きやすいでしょうね。
雇用や遊休地の利用などで景気対策にもなり、農業振興にもなり、食糧自給の促進になるだろうし、 一石何鳥かの効果が望めそうな案ですね。
気になるのは、 工場を稼働するためのエネルギーを何で賄うのか(これでエネルギー輸入が増えるのなら何をしているのか、 という感じもします)、というところと、室内栽培で作られた野菜や果物の栄養分がどうなるのか、またその安全性ですね。
本来、土に根をはって育つものが人工的な環境で育つ、また連作を続けていたら、 想像もしなかったような変化が起きたりしないか?というような本能的なところから湧いてくる不安を感じます。
室内栽培するのは、レタスやトマト、イチゴなど10品目程度らしいので、何でもかんでも室内栽培ではないのですね。 多少、気になるところはありますが、珍しく(汗)有望な政策だと思います。
YOMIURI ONLINE
「野菜工場」政府支援…室内で安定栽培、レタス20連作も
野菜や果物を、室内で安定的に栽培する「野菜工場」の普及に、政府が本格的に乗り出す。
工場建設費の低利融資や設備投資減税などを行い、今後3年間で工場数を約4倍の150か所、 生産量を約5倍に引き上げることを目指す。「安全・安心」の食材として外食産業などでの需要が高まっている上、 新たな雇用を生み出すと期待され、政府・与党が取りまとめる追加の景気対策に盛り込む。
野菜工場は、内部を外気から遮断し、空調で温度や湿度を一定に保ち、植物の生育に必要な光や水、 二酸化炭素のほか、温度や栄養分などはコンピューター管理する。品質や形を均一にしやすく、 害虫の混入も防げるため農薬も使わずに済む。すでに大手食品メーカーなどが全国で約40施設を稼働させている。 品目はレタスやトマト、イチゴなど約10品目で、レタスは年20回の連作が可能だという。
野菜工場の設置場所は、工場跡地や耕作放棄地、商店街の空き店舗などを想定している。遊休地の活用と、 高齢化が進む農村対策に有効で、新たな雇用を生み出す期待もある。だが、 大規模な野菜工場の建設費は十数億円に達する上、農業と工場を組み合わせる野菜工場は、 立地規制があいまいな面もあるため、政府は法整備を進める。
空調コストなどから、野菜などの店頭価格は通常よりも2〜3割高くなる「欠点」を解消するため、 野菜工場の省エネルギー技術化を支援するなどし、生産コストを今後3年間で約3割減らす目標も掲げている。
(2009年4月8日14時38分 読売新聞)
なかなか良い案だと思います。
おっしゃるように、労働力が必要になってくるでしょうし、日本の明るい未来に繋がる景気対策ですね。同じく、珍しく良いと思いました。
昨日は15兆円と過去最大規模の財政出動を検討、ということでいろいろと報道されていました。
注目は、より身近な電化製品や自動車の買換え支援とかでしたが、やはりバラマキの感はぬぐえません。
それよりも「野菜工場」の方が良い案だな、と思ったのですが、あまり注目されていませんね。
もっと取上げられても良さそうに思うのですが・・・