2009年03月31日

国道整備の凍結発表18件

 国土交通省が国道の新設や改築事業について、費用便益分析を行った結果を公表し、 18件の事業の凍結を発表しました。当面事業は行わず、再評価を行って事業自体の存続・廃止を検討するそうです。

 判断は、便益÷費用で算出される費用便益比で行われ、 この値が1.0以上になれば費用をかけた以上の効果があるものとみなしているようです。詳細な調査法は不明ですが、 便益として「走行時間短縮、走行経費減少、交通事故減少」の3つを考えているようですね。

 

 国土交通省の発表資料には全事業の結果が出ており、凍結となったのは18件で主に地方部の道路。 北海道や沖縄に目立つ印象です。

 その他にも、費用便益比が1.0に近い事業がいくつもあり、これらについては「要注意」的な扱のようです。 リストを見ると、身近なところで第2京阪道路は、費用便益比が1.1と、実はそんなに高くないんですね。 これぐらいの値の事業はいくらでもありますね。

 要注意事業は、関係自治体の意見を聞く、などとしていますが、事業の行方はこの意見にかかっているのでしょうか。 陳情や強力な要望が有無を言う?

 

 道路整備の継続・廃止は難しい問題です。 道路を走行することに関する便益だけで一様に判断するのはちょっと無理があるように思います。 道路の開通や改良で行きやすくなる事による、地域振興に対する効果もあるでしょうし。

 ただ、そう言った効果を数値化して定量的に判断するのは困難なので、こちらもこちらで難しいものがあります。 定性的な判断が必要になるでしょうが、では誰が責任を持って判断するのか? というとそれができる人や組織はまず無いでしょう。

 結局は、今のような形で判断していくしかないのでしょうか。

 

 凍結した事業も、コスト削減ができればまた復活するようなニュアンスはあります。凍結されれば、 景気対策に影響が出ると言う意見もありますが、ではここで自治体の意見として「道路はもういいから、その分の予算を福祉、 あるいは農業振興にまわしてくれ」といった選択肢があるのなら、別の面で景気対策にもなると思います。

 そういう仕組みができれば面白いでしょうね。

 

国土交通省
費用便益比(B/C)の点検結果について

 

asahi.com
国道建設約20件凍結、国交省方針 経済効果薄いと判断

2009年3月30日3時0分

 国土交通省は29日、建設中の直轄国道約600件のうち18件前後の建設を凍結する方針を固めた。 費用に見合う経済効果が得られないと判断した。09年度予算に盛り込まれた約400億円の執行をやめる。 地方負担を含めた事業費は約5千億円。公共事業は事業再評価で停止されるが、 直轄国道の凍結は過去5年間で数件にとどまり、今回は異例。関係自治体の反発も予想される。

 道路建設は、「交通需要は2020年代まで伸びる」とする02年時点の需要予測を前提にしてきた。だが、 野党などから「過大な予測だ」と批判が高まり、国交省は昨年11月、予測を大幅に下方修正、 交通量は03年には減少に転じたとした。道路の着工は、渋滞解消などの「便益」が、建設に伴う「費用」 を上回ることが条件。国交省は新しい予測に基づき整備中の約600件(事業費約10兆円)の見直しを行っていた。

 凍結事業には、「準高速道路」の地域高規格道路も含まれる。すでに数百億円の事業費がつぎ込まれているが、 建設を続けても十分な便益は見込めないと判断した。路線名は31日に公表し、関係する地方自治体と、 計画の修正を含め事業の存廃について協議に入る。

 道路の経済効果については、民主党の馬淵澄夫・衆院議員も独自の試算をもとに、国道232号天塩バイパス (北海道)、国道168号十津川道路(奈良)、国道58号名護東道路(沖縄) など約50件が建設着工の基準を満たしていない、と指摘している。

 国交省は、 政府が整備方針を決めている全国の高速道路網1万4千キロの未整備区間2900キロも再評価を行うが、 凍結路線が出るのは必至だ。

 公共事業について国交省は00〜07年度に9千件の再評価を行い、350件を停止している。 ただ直轄国道は経済効果が高いとされ、止まる例はほとんどなく、07年度も0件。

 しかし、政府・与党は、公共事業を景気浮揚策の柱として位置づけており、 景気の落ち込みが激しい地方からは反発が予想される。(座小田英史)

 

国道凍結18路線を発表 地方中心、高規格道も

2009年3月31日12時35分

 国土交通省は31日、交通需要が見込めないため建設を凍結する直轄国道18路線を発表した。 国道17号浦佐バイパス(新潟県)、国道220号青島―日南改良(宮崎県)など地方圏が中心で、東京、 大阪の大都市圏にはなかった。18路線の総事業費は5800億円で、既に2800億円が執行されていた。今回の措置で、 09年度予算に計上された事業費は当面執行されない。今後、地元自治体と事業の存廃について話し合う。

 建設中の直轄国道617カ所を昨年11月に見直した交通需要予測で見直した。この18カ所が、 整備にかかる費用が時間短縮など経済効果を上回った。

 今回の凍結対象には、1万4千キロの整備計画が決まっている高速道路の国道55号高知南国道路(高知県) も含まれた。都道府県単位では北海道、沖縄が各3カ所、新潟、鹿児島、高知が各2カ所など、合計で12道県。

 金子国交相は「当面事業執行を見合わせ、コスト削減をできる方策を改めて検討してもらう」と話した。

 

posted by いさた at 14:29 | Comment(2) | TrackBack(0) | 土木関連(技術) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
> 管理人様

「やめられないとまらない」と、かっぱえびせんなみの公共事業かと思っていましたが、なるほど仕事をしている人もいるということですね。今後も、こういう熟慮が望ましいですね。思いつきで予算を消費するんじゃなくて・・・
Posted by tenjin95 at 2009年03月31日 15:16
>tenjin95さん

公共事業への批判、財政事情から、こういった見直し・凍結をせざるを得なくなったということでしょう。

もっと突っ込めば、費用便益比による線引きを1.0からもっと引上げろ、という議論があるかもしれません。

予算ですが、事業を凍結したら余らせるのかどうか?結局別のことに使ってしまいそうな・・・
Posted by いさた@管理人 at 2009年03月31日 15:28
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