AutoCad 2000以降が吐出すDXFファイルには、線幅の情報を含めることができます。 このようなDXFの線幅情報は、この記事を書いている時点(Jw_Cad v.620a)では、読込むことはできません。
これを可能にする方法の一つとして、AR_CAD(フリー)を経由してDXFを取込む方法があります。
なお、この記事は、私が建築フォーラムの掲示板で質問したスレッドを元に作成しています。 このスレッドにて変換方法の示唆をいただいたAFsoft/AFさんに感謝いたします。
詳しくは、追記部分に。
AR_CADは、システムハウス福知山さんが公開されているフリーのCADで、 DXF,SXF,Jwwファイル等を読み書きできます。
今回のテストでは、AR_CADでDXFファイルを読込んだ後、ファイル書出しで2つの方法を試しています。 AR_CADではファイルの読み書きのみで、編集作業は行っていません。
(1)AR_CAD→Jwwファイルに直接書出し
AR_CADのJwwエクスポート機能を利用し、直接Jwwファイルに出力。なお、
内部形式は今のところ3.51形式まで対応しているようです。
[変換結果の概要]
- 線幅:Jw_Cad側で1/100線幅を有効にすると、線幅は引渡されている。
- 線色:従来線色に割り振られるので、基本的に元DXFと異なる。編集が必要。
- 塗りつぶし:ソリッド図形となる。ただし、色指定の問題か、白のソリッドが印刷されない状況だった。 JwCad上で再度色指定を行うことで改善された。
(2)AR_CAD→SXF書出し→JwCadに取込み
AR_CADのSXFエクスポートを利用しました。書出しは、p21,sfcのいずれも対応しているようです。
[変換結果の概要]
- 線幅:Jw_Cad側で1/100線幅を有効にすると、線幅は引渡されている。
- 線色:Jw_Cadの仕様によりSXF拡張線色となる。元DXFと同じ線色となった。
- 塗りつぶし:Jw_Cadの仕様により、ハッチング+外形線で取込まれた。(SXFファイル自体は、 塗りハッチングになっている)
[感 想]
元DXFの見た目の再現性は、(2)の方がより高いと思います。ただし、 塗りつぶしに限れば(1)の方が再現性が高い。(手間ですが、二通り変換しておいて、 (1)のソリッドのみ(2)へコピーする、というのもあるかもしれません。)
Jw_Cadへの変換目的が、参照や印刷が主であれば、(1)の方が手間もかからず、問題も少ないと思われる。
※将来的には、JacConvertの追加機能として、 線幅情報もあわせて変換できるようになるかもしれません(現バージョン v2.94では不可)。