京大科学研究所で、加熱すると、ある温度で一時的に体積が減少する物質が見つかったそうです。 類似の物質は既にいくつか発見されているそうですが、今回発見されたものは他に比べると、 体積が急激に減少する性質が特徴的とのこと。
その物質とは、ランタン・鉄・銅をある比率で含む酸化物だそうです。化合物ですね。
元記事の見出しを見た時は、熱するとずっと体積が減っていくのかと思いましたが、そうではなく、 摂氏120度付近のみ、体積が1%減少するということなのですね。
ともあれ、熱すれば体積は増えるのが常識なので、珍しい性質を持っていますね。加えて、 体積減少時は絶縁体から伝導体に変るそうで、こちらも変っています。
この物質は、微小化で発熱による膨張が問題になるような精密機器への応用が考えられるそうです。そう言う機器は、 意外と身の回りにあふれているのか、それとも特殊な用途に限られているのでしょうか。
どちらなのかわかりませんが、技術的な発展に結びつく発見だと良いですね。
asahi.com
熱すると縮む物質、京大化学研が発見 精密機械に応用
2009年3月5日13時42分
通常の物質は熱するとふくらむ一方だが、京都大学化学研究所の島川祐一教授(固体化学)、博士研究員の龍有文 (ロン・ユーウェン)さんらは、セ氏120度で1%も体積が収縮する物質を見つけ、 5日発行の英科学誌ネイチャーで発表した。高温で使う精密機械部品などに応用できそうだ。
この物質は、ランタン、鉄、銅を1対3対4で含む酸化物。特殊な装置で1100度、 10万気圧という高温高圧下で合成した。X線などで調べると高温超伝導物質などで注目された「ペロブスカイト」 という構造だった。
零下170度から温度を上げると次第に膨張するが、0.5%ほどふくらんだ120度で、一気に体積が1% 収縮し、さらに温度を上げるとまた膨張することを見つけた。
最近、温度を上げると少し縮む物質は見つかってきているが、このように極端な性質を持つものは初めてという。
この物質の性質を詳しく調べると、120度で鉄のイオンにある電子が銅のイオンへ急激に移動し、 それぞれのイオンの大きさが変化するのが収縮の原因という。同時に、 電気的性質については絶縁体から伝導体に変化しており、磁気的性質についても変化があったという。
島川教授は「エレクトロニクスでは、 サイズが小さくなるにつれて発熱で素子が膨張し誤動作の可能性が出ることが問題になっているが、 収縮する物質と組み合わせると解決できるかもしれない」と話している。
面白いですね。
確かに、応用できそうな分野が沢山ありそうです。こうなってきますと、目指せ「ホイポイカプセル」?とかいう話になってくるのかな?と、マンガ好きな拙僧は妄想していたりします。
詳しいことはわからないのですが、まずはICチップとかそういう世界での応用が考えられているのでしょうかね。
ホイポイカプセル、懐かしい。
革命的な新物質が発見されたら、未来には可能になっているのかもしれませんね。