東京都江東区で隣室の女性を殺害し、バラバラにしたりミンチにしたり、猟奇的事件をおこした星島被告に対し、 東京地裁は無期懲役の判決を出したそうです。
判決理由は、殺人罪のみを見れば相当に強い悪質性は認められない、遺体損壊は殺人以上に過大評価すべきではない、 とのことで、罪一等を減じた、といったところのようですね。
この判決はその残虐性から死刑だろう、と思っていましたが無期懲役でした。 殺人と遺体損壊をあくまで区分して考える、というのは冷徹に法に則った判断、といった感じなのでしょうか?
一般庶民とは異なり、プロの裁判官としては、このような視点から物事を判断していくということなのでしょうかね。 もし、裁判員による裁判だったら、違った判決になっていたように思います。
また、この裁判の公判では、 裁判員制度を意識して行われたという検察側のビジュアルプレゼンテーションがえげつなかった、 というニュースが記憶に残っています。
検察の求刑通りの判決でないことで、裁く側としても裁判員制度を見越し、死刑の判断基準を示すと共に、 法廷でいろいろなテクニックを使っても必ずしも効果があるわけではない、という牽制の意味もあるんだろうか? とも思いましたが、これはちょっと深読みしすぎか。
産経ニュース
【神隠し公判】星島被告に無期懲役判決
2009.2.18 10:02
東京都江東区のマンションで会社員の東城瑠理香さん=当時(23)=が殺害されバラバラにされた事件で、 殺人罪などに問われた2室隣の星島貴徳被告(34)の判決公判が18日、東京地裁で開かれた。 平出喜一裁判長は無期懲役(求刑死刑)を言い渡した。
公判前整理手続きの段階で、星島被告が起訴事実を認めたため、公判の争点は、星島被告の量刑に絞られていた。
検察側は論告で、「自らの思い通りになる『性奴隷』にするために襲った。 殺害が当初から計画されたものではなかったとしても偶発とはいえず、拉致した時点で必然だった」と指摘した。
遺体損壊・遺棄についても「被害者の存在を消すことで完全犯罪となるよう計画した。 切断した遺体をゴミと同様の方法で投棄している。まさに鬼畜の所業」と非難。 被害者が1人でも死刑判決が確定した類似の3つの事件を例示して死刑を求めた。
弁護側は「当初は殺害を想定していない」と計画性がないことを強調。星島被告が反省を深めているとして 「無期懲役として、被害者の冥福を祈らせるべきだ」と死刑回避を主張した。星島被告は最終意見陳述で 「謝っても気持ちは収まりません。1日も早く死刑にしてください」と述べた。
判決は、公判前整理手続きの段階では10日に指定されていたが、平出裁判長が結審の際に 「評議に慎重を期したい」として、18日への変更を提案。検察、弁護側ともに了承した。
また、公判で検察側は、肉片の写真や、 マネキンを使った遺体切断時の再現画像を法廷の大型モニターに映し出す異例の立証を行うことで、 星島被告の犯行の特異性・残虐性を強調した。だが、あまりの生々しさに耐えきれなくなった遺族が退廷したほか、 顔を背ける傍聴人も続出した。このため、検察側の手法は物議を醸した。
起訴状によると、星島被告は昨年4月18日夜、東城さん宅に侵入し、 わいせつ目的で自室に連れ込んで包丁で刺して殺害。遺体をノコギリや包丁で解体し、翌月1日ごろまでに、 自室のトイレに流したり、別のマンションのゴミ置き場に捨てたりしたとされる。
【神隠し公判】「残虐極まりないとまではいえない」 無期懲役判決の理由
2009.2.18 10:53
東京都江東区のマンションで会社員の東城瑠理香さん=当時(23) =が殺害されバラバラにされた事件の判決公判で、東京地裁の平出喜一裁判長は星島貴徳被告(34) に無期懲役判決を言い渡した理由について、「犯行は冷酷だが、残虐極まりないとはいえない」と述べた。
平出裁判長は星島被告の動機について「女性を思い通りの人格に作り上げ、ゆがんだ性的欲望のため『性奴隷』 にしようとして被害者を拉致した」と認定。 「事件の発覚を防ぐには被害者の存在自体を消してしまうしかないと考えての犯行。極めて自己中心的で卑劣、 酌量の余地はない」と非難した。
平出裁判長は、その上で、死刑を言い渡すには「相当強い悪質性が認められることが必要となる」と指摘。 星島被告の犯行について「抵抗できない状態の被害者に包丁を1回突き刺した犯行は冷酷だが、執拗(しつよう) な攻撃を加えたものではなく残虐極まりないとまではいえない」と述べた。死体損壊・遺棄については、 「量刑に十分考慮するべきだが、被告が死刑を求刑されているのは殺人罪に問われたからだ。死体損壊などの行為を、 殺害行為に比べて過大に評価することはできない」とした。
また、(1)事前に殺害のための凶器を用意していたわけではなく計画された犯行とはいえない(2) 拉致した後に当初の目的だったわいせつ行為はしていない(3)一貫して事実を認め、謝罪の態度を見せている− などの事情もあげて、無期懲役を選択した。
公判で検察側は、肉片の写真や、 マネキンを使った遺体切断時の再現画像を法廷の大型モニターに映し出す異例の立証を行うことで、 星島被告の犯行の特異性・残虐性を強調した。だが、あまりの生々しさに耐えきれなくなった遺族が退廷したほか、 顔を背ける傍聴人も続出した。このため、検察側の手法は物議を醸した。
判決によると、星島被告は昨年4月18日夜、東城さん宅に侵入し、 わいせつ目的で自室に連れ込んで包丁で刺して殺害。遺体をノコギリや包丁で解体し、翌月1日ごろまでに、 自室のトイレに流したり、別のマンションのゴミ置き場に捨てるなどした。