日垣隆著、大和書房刊。「仕事の鉄則100」というサブタイトルらしきものがついています。見開き2ページで1項目ずつ、全部で100の仕事に関わるアイデアが書かれています。
100のアイデアは、10編に分類されています。基本、インプット、ネットワーク、撃退、独立、継続、組織、時間、アウトプット、生活技術。
なるほど、と感心するものから、そうですねその通り、とか、今の私にはピンと来ないものまで、いろいろとありますが、読み進むのは難しくありません。アイデアの中で、特に印象が残った「鉄則」をいくつかあげると、
「ラクをして成果を上げるのが基本中の基本」
全てをゼロから築くのではなく、基本的な事柄は既存の方法を使ってラクをして、細部の変更で試行錯誤をする。
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効率よく成果を得るためには、ということですが、オリジナリティ偏重では上手くいかないこともある、ということ。これは、多くの仕事内容に共通して言えることかな、と思います。
「ゴールを必ずイメージしてから仕事に取りかかる」
アウトプット(成果)、仕事のゴールのイメージを明確にして、仕事に取りかかる、進め方を考える。
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ゴールをイメージすることで仕事のプロセスが組み立てられ、また仕事の途中でゴールのイメージをより明確にしていくことで、より合理的なプロセスとなる。
私の日頃の仕事は、まさにこのような感じ。全くの手探りで進まなければならない場合は、非常に苦しい思いをします。
「つまらないと思ったらできるだけ早く撤退する」
人生でやっておきたいことがあるなら、つまらないことはすっぱり止めてしまう方が良い。年齢が高ければなおさら。
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姿勢としては理解できるが、気が進まない仕事だが生活のため止められない、といった場合では相当な勇気が必要でしょうね。
「三日かかることは一日でやる」
全体の仕事量を圧縮するのではなく、重要な点に絞って仕事をする。
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時間があればあるだけ、いろいろな手間をかけてしまう、の反対ですね。経験を積んできた故に可能になる仕事のやり方だと思います。
「子供部屋より書斎を優先することが家族のためになる」
子供部屋と書斎を択一ならあえて書斎を選び、子供に大人の威厳を見せるべきである。
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普通なら子供部屋でしょうが、書斎にするのは、子供に「大人になったら、あんな場所を持てるのか、あんなことができるのか、早く大人になりたい」と思わせる、ということだそうです。
子供に尊敬され、目標にされるような大人になれ、という趣旨ですね。これは気になるところですが、さて、そのようにできているのか、できるのかというと自信はありません。
読み進めれば、単に仕事上のテクニックやメソッドにとどまらず、自分自身の心構え、考え方のヒントになる項目がいくつかは出てくるはずです。