沖縄市にあり、南西諸島に残る最大の干潟とされている泡瀬干潟の本格的な埋立て工事がはじまったとのこと。
この干潟は、環境省が定める「日本の重要湿地500」に指定されているそうです。 特に湿地の生態系を保全する目的で制定された国際条約「ラムサール条約」の登録湿地ではありません。
Wikipediaを見ていると、出島方式で埋立てられるようで、 沿岸部の干潟はある程度は残される感じでしょうか。しかし、干潟周辺の浅い海が無くなったり、潮流も変るでしょうから、 現在の干潟の自然環境はかなり変ってしまうでしょうね。失われるものが多そう。
工事期間中、絶滅危惧種であるトカゲハゼという魚が産卵する4〜7月は、工事を中断するそうですが、 効果のほどはどうなのでしょうか。環境が変っても生きていけるのでしょうかね。
埋立て工事の完了予定は2012年だそうです。地元の建設業者にとっては、この不景気に仕事が出てきてありがたい、 というところかもしれません。
完成後は、沖縄県と沖縄市が、地域活性化として、埋立て地にホテルや商業施設を誘致する計画だそうですが、 果してうまく行くのでしょうか。3年後の経済状況がどうなっているのかはわかりませんが、今の状況から推すと、 今後1〜2年ぐらいは誘致に乗ってくる企業はほとんど無いんじゃないでしょうかね。
工事を進めず、様子を見ている方が賢明かと思いますが、行政側に何か都合があるのでしょうかね。 干潟を無くして得たものは、広大な空き地と負債、という事にならなければ、少しマシでしょうか。
Wikipedia 泡瀬干潟
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B3%A1%E7%80%AC%E5%B9%B2%E6%BD%9F
YOMIURI ONLINE
沖縄・泡瀬干潟埋め立て開始…「暴挙」と抗議集会も
南西諸島最大の干潟とされる沖縄県沖縄市の泡瀬(あわせ)干潟(約290ヘクタール)の埋め立て事業は15日、 第1区域(約96ヘクタール)の本格的な工事が始まった。
那覇地裁は昨年11月、泡瀬干潟公金支出差し止め訴訟で、県と沖縄市に将来の支出差し止めを命じ、 県と市は控訴した。原告団メンバーは「埋め立ては地裁判決を無視した暴挙」と干潟近くの岸壁で抗議集会を開いた。
埋め立ては国と県が担当し、事業費は約490億円。第1区域と未着工の第2区域(約91ヘクタール)があり、 埋め立て地の大部分を県と市が購入し、ホテルや商業施設を誘致して地域活性化を図る計画。
第1区域の工事は2002年に着工。希少生物の保護措置や反対住民の阻止行動で、工事は断続的に中断し、 護岸整備しかできていなかった。12年度に工事完了予定で、当初計画は「第1、第2区域とも09年度完工」としていた。
この日は午前9時前に工事が始まった。干潟の北東3キロの中城湾港新港内で採取した土砂を運搬船に載せ、 埋め立て地に搬送。午後からは護岸で土砂をダンプカーに積み替え、海に投じる。今後も毎年4〜7月は、 埋め立て地周辺で絶滅危惧(きぐ)種・トカゲハゼが産卵するため作業を中断する。
県港湾課の平良和雄・港湾開発監は「裁判は継続中で、埋め立て工事の進展に問題はない」と語った。 沖縄市の東門美津子市長は「具体的な土地利用計画を早い時期に策定し、 経済的合理性を説明していくことが市長としての責務と考えている」とのコメントを出した。
(2009年1月15日16時25分 読売新聞)