2009年01月08日

地デジ移行後もCATVでアナログ放送?

 地デジに対応するTVなどの受信機器の普及率は、昨年9月時点で47%ぐらいだそうです。 思うように普及していない、ということで、政府としては、地デジ完全移行後も、 CATVでアナログ放送を3〜5年間ぐらい継続するように対策をするみたいです。

 アナログ放送といっても、CATVの会社がデジタル放送をアナログ放送に変換して流す、ということで、 何か無理矢理ですな。

 

 ところで政府のこの措置、詳細はこれから詰めるようですが、よくわからないところがありますね。

 

 まずは、既にCATVに入っている家の場合。私の家もそこに含まれるのですが、家にあるCATVチューナーに、 アナログTVをつないでいて、今でもデジタル放送を見ることができます。ということで、 新たにアナログ波を送ってこられてもメリットが無いのでは、と思います。

 もしかすると、地デジ完全移行後に、現在使われているCATVチューナーを全部回収して、 アナログTVは接続できないようにするつもりだった、というのであれば話は別ですが・・・・ そんなことをするとも思えないですし。

 また、デジタル放送が始る以前のアナログだけのCATV契約の家ならば、意味があるのかもしれません。が、 そのような契約をどう扱うかは、CATV会社の対応の問題である気がします。 ユーザに利用コースの変更をしてもらえば済むことです。

 

 

 次に、アナログ波を受信したいがためにCATVに加入する場合は、利用料金はどうなるのか。

 利用料金が発生するケース。一時期、アナログTV向けに、 デジタル放送受信用の安いチューナー(数千円ぐらい)を開発する、というような話があったと思います。 今はどうなったのか知りませんが、そんなチューナーを、政府が生活保護を受けている家庭に配るかもしれない、 というニュースもあったはずです。

 もし、そういう機器が開発されて存在している状況で、CATVが有料なら、チューナーを買う方がコストが安い、 ということになって、わざわざCATVに加入する家庭がどれぐらいあるのか、という疑問が湧いてきます。

 逆に、安いチューナーが無ければ、CATVに加入する意義も出てくるでしょう。しかし、 CATVとて全世帯をカバーできるわけではないので、残りはどうするのでしょうね。

 

 では、CATVによる対策をより有効にする、となると、やはり利用料金が無料か、 数百円ぐらいまでに押えるといったことになるでしょう。ただ、これだと、 既存のCATV契約者が損した気分になるでしょうね。

 地上波の他に、スカパー!のチャンネルが見れるとしても、そんな救済策をするなら、こっちの料金も値下げしてくれ、 とか今の契約を解約して地上波だけでいいや、と言う心情になってもやむを得ない。私は、 こういう心情になる方だなf(^^;

 

 後は、時限措置という点ですね。実際のところ5年で打切る、ということができるんだろうか。 打切りのタイミングとしては、アナログTVの耐用年数との兼合いがありそうで、結局ずるずると伸びていくような気がします。 CATV会社が設備投資をするにしても、5年でハイ、終りというのもいささかもったいない感じです。

 

 いずれにせよ、政府の目論みに狂いが出てきた、ということは確かなようですね。やっぱりな、という印象です。

 いろいろ対策をしたところで、やはり金がかかる、ユーザにメリットが見えない、ということでは、 簡単に目標は達成できないでしょう。最終的には、もうどうしてもアレなら、TVはワンセグ対応の携帯で見てよ、 と言った次元になっていくのかもしれませんね。

 

YOMIURI ONLINE
CATVはアナログ併存、地デジ移行後3〜5年

 政府は、ケーブルテレビ(CATV)利用世帯を対象に、2011年7月の地上デジタル放送(地デジ) 完全移行後も、アナログ放送を受信できるようにする措置を取る。

 景気悪化の影響で地デジ対応機器の普及が遅れているためで、移行後3〜5年間の時限措置とする方針だ。

 CATV加入世帯は現在約2200万あり、加入可能世帯を合わせると約4000万世帯が対象となる。

 具体的には、地デジの電波をCATV会社でアナログ波に変換し、 デジタルとアナログの両方の電波信号を家庭へ同時に送る。各世帯では、 テレビが地デジに対応しているかどうかにかかわらず番組を見られる。

 政府は今年3月までに、CATV会社約330社が加盟する「日本ケーブルテレビ連盟」 などに新対策の実施を要請し、夏までに詳細を詰める。 CATV会社には設備への追加投資などで計30億円を超える負担が見込まれており、政府として支援策を検討する。

 政府は地デジ完全移行時までに、受信機器の普及台数を1億台に引き上げる目標を掲げている。しかし、 北京五輪などで普及の加速を見込んでいた08年に期待ほど伸びず、同9月末時点の普及台数は4113万台、 世帯普及率は約47%にとどまった。

(2009年1月8日  読売新聞)

 

posted by いさた at 20:36 | Comment(2) | TrackBack(0) | 思い事(柔らかめ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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この記事へのコメント
えっ、ラッキーなのかな?
 
うちの住む場所は府営住宅のため、団体でタダで高品質のアナログ放送を視聴しています。
 
こんな公共の電波ごときに金なんか使ってられませんし。もっと、使うべきものに消費者はお金を使います。

ほかの局も変換放送になったらええなぁって思います。
だって勿体ないし。たかが映像フォーマットはMPEG2 TSでしょ?
H.264(MPEG4 AVC)なら話は別だけど、MPEG2なら別に最高画質でもないし。しかも、2秒遅れの放送が欠点だなって思う。

っていうか、なんでH.264やDivX HDとか採用しなかったんだろう? DivXなんて解像度1280x720p(HD)で30分番組(CMカットで24分)収録する場合、700MBのデータ用CDで2番組も収録できるくらいの圧縮率を実現しているから、フォーマット変えて欲しい。

一体、今の大人はしょうもないことに金使わせるんだね。もし今のアナログテレビで受信出来なくなったら、もう見ないと思う。
Posted by Unknown at 2009年01月12日 22:07
>UnKnownさん

コメントありがとうございます。

デジタル化によって「見たいけど、見られない」という人がどれだけ出てくるか、というのがサービス提供側にとって問題になるのでしょう。


>もし今のアナログテレビで受信出来なくなったら、もう見ないと思う。

そういう人もいるでしょうし、TVを見る・見ないは自由なので、見ない、といっても特に不都合は無いでしょうね。
Posted by いさた at 2009年01月13日 09:55
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