京都大学の付属農場が大阪は高槻にあり、これを京都は木津川市の学研都市に移転する計画があるそうですが、 その中で、場合によっては農場の土ごと移転するかもしれない、ということです。
この移転話、産経ニュースの記事を読んでいるといろいろな思惑がからんでいてちょっとややこしい。
まず、昭和3年にできたという農場は、実は弥生時代の遺跡の中にあり、 史跡公園をつくりたい高槻市は農場を移転して欲しい。京大側は遺跡の敷地内で、地下の遺構を破壊する可能性があるので、 今の敷地内では新規の施設建設がほぼ不可能な状態のようです。
ここで、研究施設を誘致したい学研都市が移転の誘いをかけて、京大が乗気になったようですが、 移転先の土が農業には向いていないことがわかったので、土を移動させてはどうか・・・と考えているみたいです。この場合、 高槻と学研都市は淀川をはさんで結構離れているのですが、この距離の間で、 10万トンもの土を移動する可能性もあるとのこと。
さらに、この移転費用は現農場の売却益で賄う方向のようですが、本来、売却益の半分は、 国庫に上納しないといけないらしく、そんなことをすると移転が不可能なので、上納しないでいいように、 文部科学省との交渉も必要だそうで。
また、上納不要となっても、土の移動で移転費用がかさんだり、規模縮小となってしまうようならば、 移転自体が中止になる可能性もあり、と結局、現時点ではよくわからない状態のようです。
ただ、仮に農場が移転して、跡地が史跡公園になるとすれば、今まで耕作に使われてきた土壌が掘り返されて、 全てとは言わないまでもどこかに捨てられる可能性が高いように思います。
畑の土も、そうそう簡単にできるものではないし、ただ捨ててしまうのももったいない話。土ごと移転する、 というのはなかなか良い案では?と思います。問題となるのは、コストと、 今の時勢ならダンプをバンバン走らせるのは環境にとっていかがなものか、と言った点でしょうか。
ここらで、橋下知事も、この話に混ざって(いや、もう混じっているのかも知れませんが)、 ここは彩都に移転してもらうべく営業してみてはどうでしょうかね。京都から見れば、今の高槻から遠くはなりますが、 土を運ぶ距離は学研都市よりは短くて済むでしょうから。
産経ニュース
京大農場が土ごと移転!? 候補地、耕作に不適切
2009.1.6 14:53
京都大学が計画している農学研究科付属農場(大阪府高槻市)の移転事業をめぐり、 関西文化学術研究都市内にある移転候補地(京都府木津川市)の土質が農場に不適切とみられることが判明し、 京大が現農場の土を大量に移動、農地化する意向を持っていることが6日、分かった。
移転に伴う総事業費は100億円を超えるとみられているが、 土の移送コストが膨らむなど収支の関係により農場規模の縮小を余儀なくされる場合には、 移転そのものを中止する可能性もあるという。
京大付属農場には、本場(約15ヘクタール)と古曽部(こそべ)温室(約1ヘクタール)がある。 甲子園球場4個分近くの広大な本場は、JR東海道線と阪急京都線に挟まれた高槻市中心部に位置している。
しかし、敷地が弥生時代の集落跡「安満(あま)遺跡」の中にあるため、同市は史跡公園としての整備を構想し、 京大側に移転を要請。一方、研究機関を受け入れたい学研都市側からは農場招致の要請が寄せられ、 京大では古曽部温室を含めて学研都市内に移転する構想を立てた。
京大側の計画では、移転先の用地造成や建物、田畑の整備など、 移転に伴う費用は基本的には現農場の売却益でまかなう方針で、その額は100億円以上になるとみられている。
新農場の候補地は学研都市東端の木津中央地区にあり、広さ約35ヘクタール。現在は都市再生機構(UR) が所有している。しかし、移転候補地の土質が肥沃(ひよく)でなく、田畑耕作などに適していないとみられることから、 検討過程で、現農場の大半を占める田畑を土ごと移動させる構想が浮上。仮に深さ1メートルの土を移動させる場合、 少なくとも10万トン以上の運搬が必要ともみられている。
さらに、ナシやブドウなど果樹園の樹木の移転も検討される見通しとなっているうえ、 移転候補地に新たにセミナーハウスの建設計画も浮上、土の運送費用も含め、 総事業費がさらに膨らむ可能性も出てきている。
国立大学法人が所有する資産の売却では、売却収入の半分を国庫に返還しなければならない決まりだが、 返還してしまえば、想定する農場整備が不可能となることから、 京大では返還しなくてもすむように文部科学省などと交渉する方針だ。
だが、移転計画をまとめる段階で、農場全体の広さが収支の関係で現在より狭くなるなど教育・ 研究環境が悪化することがわかった場合には、移転を取りやめることもあるという。
京大では「まだ移転自体を最終決定したわけではない。今後協議を重ねて、適切な具体案をまとめていきたい」 としている。
【京都大学農学研究科付属農場】水田、畑、果樹園などがある本場は昭和3年に設置され、米やナシ、ブドウ、 タマネギ、シクラメンなどを栽培。研究施設もあり、果物の品種や生産性、遺伝学的な研究などが行われている。しかし、 敷地が遺跡に含まれるため、地下の遺構を破壊するとして、新たな施設の建設がほぼ不可能な状態となっている。 京都市左京区の京大キャンパス内にも京都農場(約3・5ヘクタール)があるが、 この農場は移転しないことが決まっている。





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