入院中の1歳の我が子が受けている点滴の中に、古くなったスポーツドリンクを混入させたとして、 母親が殺人未遂容疑で逮捕される、という事件が起きていたそうです。
母親は「病気になればずっと付添って看病してやれる、殺すつもりはなかった」などと供述しているそうです。 子供は原因不明の感染症で入院していたそうですが、感染症の原因も、もしかすると母親の所業にあるのかもしれません。
今回入院していたのは五女で、他の子供のうち3人が、幼い頃に病死しているということなのですが・・・ 詳しくはまだわかっていませんが、不気味です。五女の病気が、これから快方にむかうことを祈っています。
現実に、子供の虐待が行われていることに間違いはありませんが、その一方で母親が「代理ミュンヒハウゼン症候群」 である可能性もあるようです。
引用したasahi.comの記事にはそんなことは書いてありませんが、私が最初に見たときには、 「代理ミュンヒハウゼン症候群」について簡単に触れていました。たぶん、そうと決ったわけではない、不確実なことなので、 削除されたのでしょう。
この代理ミュンヒハウゼン症候群、というのは、自分自身ではなく、他の者に傷害を加えることで、 自分自身に同情をあつめたり、他人の気を引くことで精神的満足を得ようとするもののようです。
例えば、母親が自分の子供を病気やけが人にして、それを健気に看病する母親、ということで同情を引く、 といったことのようです。これが継続すると、子供は次々に病気になったり、怪我をしたり、 という事態になってしまうようです。この場合、殺害が目的では無いらしいので、今回の事件の母親の供述に合致していますね。
ちなみに、自分自身を対象として自傷行為をしたり、病気になろうとしたりするのは「ミュンヒハウゼン症候群」 というそうです。
精神疾患であるかどうかは、精神鑑定でもしないとわかりませんが、このケースでは、 いわゆる児童虐待とはその動機が若干異なっている可能性がある、ということで、単純に善悪で割切れないところが感じられて、 複雑なところがありますね。もちろん、動機が何であれ、子供を痛めつけるようなことは即刻止めてもらわねばならないし、 してはいけませんが。
裁判員制度で行われる裁判で、このような事件を扱うことになると、判断が難しいケースのひとつとなるのでは。
asahi.com
1歳女児の点滴に古い飲料注入 殺人未遂容疑で母を逮捕
2008年12月24日12時25分
京都市内の病院に入院している1歳10カ月の娘の点滴チューブに古くなったスポーツドリンクを注入したとして、 京都府警は24日、岐阜県関市に住む母親(35)を殺人未遂の疑いで逮捕したと発表した。府警によると、母親は「 (病気になれば)ずっと付き添って看病してやれると思った。殺すつもりはなかった」などと供述しているという。
府警によると、母親は22、23両日に1回ずつ、集中治療室(ICU) で治療を受けていた五女の点滴チューブに、古くなって細菌が繁殖したスポーツドリンクを注射器で注入し、 殺害しようとした疑いがある。五女は回復に向かっているという。
五女が入院していた京都大学医学部付属病院(京都市左京区)によると、五女は原因不明の重症感染症にかかり、 岐阜県内の病院から2日に京大病院小児科へ転院した。検査したところ、 尿に有機化合物が検出されたり通常は存在しない複数の細菌が血液から見つかったりし、7日にICUに転科した。
転院当初から母親が点滴チューブに触るなど不審な行動をしていたため、11日に府警へ報告。 ICUのカメラ映像を監視していたところ、12日にポケットから何かを取り出す様子が確認された。22、 23日は血管に入っているチューブを触り、 子どもを抱きかかえてカメラの死角になるようにしながらポケットから何かを取り出す行動があったという。
府警によると、五女の容体は好転していたが、22日になって再び発熱があったため、 任意で母親から事情を聴いていた。母親はバッグの中などに複数の注射器を持っており、「スポーツドリンクを作り、 7〜10日ぐらい放置したものを注入した」と話しているという。
五女の父親は会社員で関市の自宅におり、母親が京都市内に滞在して看病していた。 2人の間に生まれた子どものうち、ほかに3人が乳幼児期に病死しているという。