アメリカのビッグ3救済のための緊急融資法案は、下院を通過して上院に持ち込まれたものの、採決に入る見込みが無くなり、事実上の廃案になった模様です。
これを受けて、昨日の為替相場では急激な円高となった他、自動車関連の株も下がるなど、金融面で影響が出ているようです。
廃案になった(決定的)理由とは、緊急融資の条件の一つとしてあげられていた労働者の賃金の引き下げを、労働組合が拒否したからだ、ということだそうです。
倒産の危機に瀕しているのは、自家用ジェットで乗り付けるような経営陣の責任でもあるのですが、報道ステーションによると、ビッグ3の賃金は、トヨタの現地法人の2倍近くになるそうです。
どちらが高い・安いか、というのがよくわかりませんが、賃金引き下げを拒否したが故に融資の芽が無くなる、というのでは、自分で自分の首を絞めているようなものです。どの様な判断なのかはわかりませんが、文化の違いもあって考え方も違うのでしょうかね。
今後の緊急の救済策としては、ブッシュ政権が議会を経ずして実行できる策を出してくる可能性があるようです。まだビッグ3の破綻が決まったわけではありませんが、助かる道の一つは閉ざされたことになります。
ここで、第3の選択として、突如としてオイルマネーで余力のある国が動き出したり・・・・といった離れ業的状況になったりするか?
(関連記事)
[アメリカ] 自家用ジェット乗付けて非難浴びる
asahi.com
ビッグ3救済、事実上の廃案 議会主導の支援は見送りへ
2008年12月12日21時20分
【ワシントン=西崎香】米自動車大手3社(ビッグ3)の救済法案が11日、事実上の廃案となり、議会が主導する救済は見送られる見通しになった。最大計140億ドル(約1兆2600億円)にのぼる緊急融資の条件として、各社にリストラの強化を求めた議会の調整が決裂した。資金繰り難による各社の経営危機の深刻化が懸念されている。ブッシュ政権は議会の手続きなしで実施できる金融支援を検討する可能性がある。
最大手ゼネラル・モーターズ(GM)は年末までに40億ドルの緊急融資が事業継続に必要としており、日本の民事再生法にあたる破産法11条(会社更生)を申請し、経営破綻(はたん)に追い込まれる危険性もある。金融市場が混乱し、経済危機が悪化すると判断された場合は、政府は総額7千億ドルの公的資金枠がある金融救済法を使って、支援する選択肢もある。
法案は、経営危機が深刻なGMと3位のクライスラーに、最大140億ドルを緊急融資する計画だった。条件として、報酬や賃金などを徹底的に減らすリストラを要求している。経営再建が不十分なら緊急融資の返済を求める罰則条項つきだった。
下院で10日に可決された法案について、上院(定数100)も11日、採決に入るかどうかを問う採決をした。賛成は可決に必要な60票を下回る52票にとどまり、事実上の廃案扱いになったという。反対は35票あった。賃金などを引き下げてコストを日系メーカーなどと競える水準に抑える条件に、全米自動車労働組合(UAW)が反対したことが決裂の最大要因になったという。
議会は実質的に来年1月上旬まで休会となる見通し。1月上旬に招集される議会は、先の議会選で民主党が議席を増やしているため、オバマ政権のもとで本格支援を審議する予定だ。
ここまで来ると、なぁなぁのままに、既得権ばかりが優先される日本よりも、健全な気がしてきました。
話の筋としては、わかりやすい気がします。
カナダ政府が緊急融資をするということで、少し手がさしのべられるようです。