2008年12月10日

青色照明で自殺防止?

 青い街路灯の光に防犯効果が認められるとして、日本各地で防犯灯として青色照明が採用されているそうですが、 この光が鉄道への飛込み自殺防止に効果があるとして、駅や踏切への照明設置の動きが広まっているとのこと。

 青色照明は、もともと、イギリスのグラスゴー市で景観改善のために設置したところ、防犯の効果が認められた、 ということで日本でも導入されるようになった、という経緯のようです。

 

 青は心理的にはクールダウン効果が期待できる色、ということなんですが、 飛込み自殺に関しても実際に設置した駅や踏切では起きなくなり、ある程度の効果が期待できるようです。他には、 高速道路のSAのゴミ箱近くの照明を変えたところ、家庭ゴミの不法投棄が2割減少したとか。

 青色照明は万人に効果があるとはいかないまでも、ある程度は、人を冷静にさせる効果があるのかもしれません。 これで、全ての犯罪や自殺が防止できるわけではないでしょうが。

 

 そういえば、自分の身の回りを振返ってみると、青い照明のある場所が思いつきません。もしかすると、 青色照明が珍しいうちは、効果が期待できても、増えすぎて普通になってしまうと、 かえって効果は薄くなってしまうかも知れませんね。

 引用元に、青色照明の駅のホームの写真がありましたが、なんだか普通の白色照明よりも暗いですね。 元々が景観改善ということで、独特の雰囲気が醸し出されていますが、かえってものが見えにくくて、つまずきやすい、 なんてこともありそうです。

 バランスをとるのが難しい、という感じでしょうか。

 

YOMIURI ONLINE
「青い光」で飛び込み防げ!京急・弘明寺駅、設置後ゼロに

 防犯効果があるとして街路灯に用いられるようになった「青色照明」を、鉄道会社が踏切や駅ホームに、 飛び込み自殺防止の目的で導入する動きが広まっている。

 実際に自殺防止に役立つかどうかは専門家の間でも意見が分かれているが、 すでに青色照明を設置している鉄道会社は「それまで毎年起きていた自殺がゼロになった」 などと効果に手応えを感じている。

 京浜急行は今年2月、横浜市南区の弘明寺駅で、ホームの端の照明8基を青色に変えた。同駅では前月の1月、 ホーム端の人けのない場所で2日続けて夜間に飛び込み自殺があった。同駅は、未遂も含め、毎年2、 3件の飛び込み自殺が起きており、「自殺を1件でも減らすため、できることはなんでもしてみようと、 わらにもすがる思いで始めた」(同社鉄道本部安全対策担当)という。

 同社によると、同駅では青色照明設置後、飛び込みは起きていない。

 JR東海も今年8月以降、愛知や岐阜、三重県で、 東海道線や中央線などの踏切計10か所に試験的に青色照明を設置し、効果を探っている。JR東日本やJR九州でも、 導入に向けた検討を始めている。

 鉄道会社の中で青色照明をいち早く導入したのはJR西日本だ。車が強引に踏切を渡るケースが後を絶たず、 頭を悩ませていた同社は、2006年12月以降、大阪府と和歌山県を結ぶ阪和線などの踏切計38か所に青色照明を設置。 その結果、夜間の車の踏切事故がゼロになり、飛び込み自殺もなくなったという。

 国土交通省の調査では、07年度に全国の鉄道で起きた飛び込み自殺(未遂含む)は640件で、 前年度より約2割(106件)増えている。鉄道各社によると、飛び込み自殺が多いのは夜間だといい、 JR西は青色照明による自殺防止について「一定の効果があることは間違いない」(広報担当)と自信を見せる。

 防犯や自殺防止だけではない。東名高速東京インター付近では01年から、事故防止を目的に上下線1・ 8キロにわたって青色照明計152基を設置。「『落ち着く』『冷静』というイメージをドライバーの感性に訴えることで、 安全運転を促すのが狙いの一つ」(中日本高速道路)としている。

 同社が名神高速・養老サービスエリアのゴミ箱近くの照明を青色に変えたところ、 家庭ゴミの不法投棄が2割以上減少したともいう。

 青色照明の効果について、慶応大の鈴木恒男教授(色彩心理学)は 「青色を見ると落ち着くという実験データはあるが、珍しい色だから人目につくため、 犯罪や自殺を避けようという意識が働くことも考えられる。ただし、 明かり一つですべて食い止められるという過大な期待は禁物」と話す。

 ◆青色照明◆ イギリス・グラスゴー市が2000年、景観改善のために街路灯に導入、 犯罪発生件数が減少したことで注目を集めた。日本では05年に奈良県警が導入を進めたところ、 1年後に周辺の夜間の犯罪認知件数が約9%減少。その後も、 北海道から沖縄県まで各地で防犯灯として取り入れられるようになった。

(2008年12月10日14時40分  読売新聞)

 

 

posted by いさた at 20:57 | Comment(0) | TrackBack(0) | 景観とまちづくり | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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