国土交通省所管の国家資格「建築施工管理技士」で、替玉受験が発覚し、 資格スクールの責任者が逮捕されていたそうです。替玉受験を請負った資格スクールの責任者は、 数十万円の報酬を受取っていた、ということです。
発覚した原因は、30代の受験者の顔写真に、50代半ばの容疑者の写真を貼っていて、とても年齢不相応だった、 ということだそうです(笑)。替玉は今回が初めてだったのかどうかわかりませんが、替玉の背景として、過去は、 意外と試験実施側のチェックが甘かったのではないか?だから替玉でもいけると思ったのではないか?という気もします。
監理技術者としては、1級建築士よりも、1級建築施工管理技士の方が、より広い範囲の工事でなれるようですね。 施工管理技士は、建築以外にも土木や造園といった分野についてもあります。
資格があった方が、いろいろと有利と言うことで、取得に励む者・励まされる者がおり、それに関連して 「資格ビジネス」で儲けている人たちがいますが、替玉はビジネスとしてはやはり行きすぎで、犯罪になってしまいます。
「試験」と名の付くところ、替玉の問題は古くから存在していると思います。おそらく、発覚したのは氷山の一角で、 施工管理技士に限らず、他の資格にも潜んでいることでしょう。
こういった替玉が横行すれば、やがては資格自体に信用が失われ、社会的に意味を成さなくなることでしょう。 そうなれば、資格ビジネスもあがったり、ということになるのですが、それでは自分の首を絞めていることになるのでは?
もちろん、替玉受験を行う方が悪いのですが、試験の実施側も、より確実な本人確認の方法が必要ですね。
asahi.com
国家資格替え玉受験 容疑で資格スクール責任者ら逮捕
2008年12月7日21時20分
国土交通省が所管する国家資格「建築施工管理技士」の受験申請書を偽造したとして、大阪府警が資格スクール 「建設業技術協会」(大阪市中央区)の責任者、足立憲治(52)=大阪市大正区千島3丁目=と、同協会講師、西垣健次 (55)=大阪府豊中市柴原町2丁目=の両容疑者を有印私文書偽造・ 同行使の疑いで逮捕していたことが府警への取材でわかった。実際の試験では、 西垣容疑者が同協会の受講生の替え玉となって受験していたという。
府警は足立容疑者らが同協会の複数の受講生に替え玉受験を持ちかけ、 1人につき数十万円の報酬を得ていたとみており、過去の受講生の受験状況も調べる。大阪地検は5日、 2人を有印私文書偽造・同行使罪で起訴した。
建築施工管理技士は、建築工事の施工計画を作ったり、 工程を管理したりする人材として国交省が認定する国家資格。1級と2級に分かれており、 1級の資格を持つと大規模な工事で配置が義務づけられる「監理技術者」になれる。
捜査2課によると、足立容疑者らは今年2月、08年度の建築施工管理技士の1級試験で、 同府内の30代の男性の申請書に西垣容疑者の写真を張り付けるなどして偽造したうえ、試験を実施する財団法人 「建設業振興基金」(東京都港区)に申請書を提出した疑いが持たれている。
この男性は建設業技術協会の受講生で、6月に実施された学科試験では、西垣容疑者がこの男性の代わりに受験。 2人は男性側から数十万円の報酬を受け取ったという。
同じ資格試験では、今回の事件とは別に、申請書の顔写真が本人と違っているなどの事例が複数見つかり、 国交省が府警に告発していた。府警は、その中に同協会の受講生も含まれていたとして、 2人が関与した疑いがあるかどうか調べる。
同基金によると、08年度の1級試験は大阪や東京、名古屋、福岡など全国計10カ所で実施。 6月にマークシート形式の学科試験、10月に2次試験にあたる記述式の実地試験があった。 07年度の合格率は学科試験が46.4%、実地試験が34.1%だった。
建築工事の施工計画作成などに必要な国土交通省所管の国家資格「建築施工管理技士」の検定試験で、 受検申請書を偽造して替え玉受験したとして、大阪府警捜査2課が、大阪市中央区の資格学校「建設業技術協会」 の実質責任者・足立憲治容疑者(52)(大阪市大正区)ら2人を、有印私文書偽造・ 同行使容疑で逮捕していたことがわかった。
足立容疑者らは「替え玉を立てた受験者から報酬数十万円を受け取った」などと供述しており、 府警は余罪を追及する。
府警幹部によると、他の逮捕者は、同協会講師・西垣健次容疑者(55)(大阪府豊中市)。2人は今年2月、 同協会が開いた資格講座の受講生で、大阪府に住む30歳代男性の受検申請書に、西垣容疑者の顔写真を張り、 試験を実施した「建設業振興基金」(東京)に提出した疑い。
2人は容疑を認め、今月5日に起訴された。10月の実地試験前の書類審査の際、 西垣容疑者の顔写真が30歳代に見えなかったことから不正が発覚、国交省が府警に告発していた。
(2008年12月7日20時41分 読売新聞)