宇宙から紙飛行機を飛ばす計画、という夢のある計画の記事を、今年の1月に書いていました。JAXAは、 来年2月に国際宇宙ステーションから実行する予定だったようですが、安全上の理由により、見送ることになった、 とのニュースがありました。
引用元のasahi.comには写真があり、紙飛行機の実機は既にできていたようですね。 見た目はスペースシャトル風で、大気圏突入性能を持った「紙飛行機」なんですねぇ、すごいもんです。
さて、安全上の理由というのは、飛ばす方向を誤った場合、 高速で飛ぶために宇宙ステーションや他の人工衛星にぶつかって破損させる可能性があり、 その防止のための監視体制整備などが間に合わなかった、ということのようです。
以前に書いた記事でも素朴に疑問として感じていましたが、紙飛行機とはいえ、高速で飛んだら弾丸みたいなもので、 危険である、ということなんですね。人間が飛ばすのであれば、きっちりした方向と速度で飛ばす、 というのも機械制御のようには行かないですし。
しかし、ロマンのある実験であることにかわりはありません。ブーメランを飛ばしたときのように、 簡単に実現とはなりませんでしたが、なんとか障害を克服して、実験にこぎつけてもらいたいですね。
(関連記事)
宇宙から地球へ向けて紙飛行機を飛ばす?
asahi.com
宇宙紙飛行機の発射見送り 衝突事故やごみ化を懸念
2008年12月2日7時6分
国際宇宙ステーション(ISS)から地球に向けて紙飛行機を飛ばす研究を進めていた宇宙航空研究開発機構 (JAXA)が、来年2月からISSに長期滞在する若田光一・ 宇宙飛行士に託す予定だった飛行実験を見送ることになった。JAXAによると、 紙飛行機が地球に帰還せずにISSや人工衛星に衝突し、衛星を破損したり、地球の周りを高速で回り続ける「宇宙ごみ」 になったりする恐れがあり、対策を検討するという。
実験は、JAXAや広島県福山市の精密部品メーカー、東京大学大学院などが共同で紙飛行機(全長38センチ、 幅22センチ、重さ29グラム)をISSから飛ばし、無事に地球に帰還できるかを試す予定だった。
実験のために帰還時の空気摩擦による高温に耐えられるようサトウキビ繊維を化学処理し、 耐熱性を高めた特殊な紙も開発。1月に東大の実験用超高速風洞で、 音速の7倍の速さの気流や約200度の高温に耐えることも確かめた。メーカー側は10月、 若田宇宙飛行士のISS搭乗に合わせて作った紙飛行機9機をJAXAの米国ヒューストン駐在員事務所へ発送していた。
ただ、高速で地球の周りを回るISSから放たれる紙飛行機も高速で飛ぶため、飛ばす方向を誤った場合、 紙飛行機がISSや他の人工衛星にぶつかり、太陽電池パネルなどの部品を破損させる恐れがあるという。 それを防ぐための地上からの監視態勢の整備などが間に合わなかったという。(吉田博行)
宇宙に工具をうっかり放り出したなんてニュースを聞いたけど、これは危険じゃないわけ?
>宇宙に工具をうっかり放り出したなんてニュースを聞いたけど、これは危険じゃないわけ?
飛んでいるスピードの問題もあると思いますが、宇宙ゴミとして、他の人工衛星に当たるような軌道であったりすると危険があるでしょうね。
そんな感じの宇宙ゴミが、かなり地球の周りを周回している、という話を聞いたことがありますよ。
工具はどうなんでしょうね。地球の重力に引っ張られているなら、やがては大気圏に降りてきて、摩擦熱で燃え尽きてしまうのかも。