アメリカの上院の公聴会で、経営危機に陥っているビッグ3のトップ3名が、政府に250億ドルの緊急融資を求めた、 ということなんですが、この公聴会に自家用ジェットで乗付けたことで、かえって非難を浴びる結果になったらしい。
GMの会長は、ワシントンとデトロイトを往復で約2万ドル。民間航空のファーストクラスなら840ドルだそうです・ ・・
日本なら、ファーストクラスを止めてビジネスクラスにしろ、とかそういう次元でしょうが、国土の広い国となると、 自家用か民間便か、という選択になってくるようですね。
当のアメリカでは、税金による民間企業救済には、社会的に反発が強く、救済法案の審議は難航しているらしいですね。 今回の指摘で、火に油を注ぐようなことになったんでしょうか。
まあ、経営に対して各社のトップが持つ危機感が疑われることにはなったでしょうね。メディアに対しては、 自家用ジェットはセキュリティ上の理由から使っている、という説明のようですが、「時は金なり」 的な説明もあっても良かったのかも知れません。
ところで、ビッグ3が破綻すると、アメリカ国内の失業者などで問題が出てくるでしょうが、日本国、 日本企業に対してはどんな影響が出てくるのでしょう。
アメリカのことだから、もしかすると、経営改善のためとか称して、 ビッグ3以外のクルマの生産や販売を制限するような、保護主義の法律ができたりするんですかねぇ。
産経ニュース
救済求めるビッグ3の首脳、自家用機で議会に乗りつけ非難の嵐
2008.11.20 14:38
【ワシントン=渡辺浩生】経営危機に陥り、公的資金による救済を米議会の公聴会で訴えたビッグスリー (米自動車3大メーカー)のトップ3人が、プライベート・ ジェット機で首都ワシントンに乗り付けていたことが19日分かり、議会でやり玉にあがった。
ゼネラル・モーターズ(GM)のワゴナー会長、フォード・モーターのムラーリ最高経営責任者(CEO)、 クライスラーのナルデリ会長の3人は18日、会社の自家用ジェット機でワシントン入りし、上院公聴会に出席。
破綻(はたん)は米国経済に「破壊的な影響」を及ぼすとして、250億ドルの緊急融資を求めた。
しかし、翌19日の下院金融サービス委員会の公聴会で、アカマン下院議員(民主)は 「タキシード姿の気取った人間が無料食堂に現れるようなもので、少しばかり釈然としない」と指摘、 旅客機のファーストクラスに格下げしてはどうかと持ちかけたが、3トップは無言だった。
また、シャーマン下院議員(同)は「自家用機は今売って、商業便で帰ろうという人は挙手を」と質問。 無反応の3人に「記録によると、誰も手を挙げなかった」と皮肉った。
ABCテレビによると、ワゴナー会長が乗った自家用機はGM所有の3600万ドル(約34億円)。
ワシントンとデトロイト往復の費用は約2万ドルに上るが、 民間航空便のファーストクラスを使えば約840ドルで済む。ムラーリCEOは、会社との雇用契約上の特典で、 週末はデトロイトからシアトルの自宅に自家用機で帰っているという。
3社は米メディアに、安全上の理由としているが、政府支出を監視する民間団体からは 「納税者の顔を平手打ちするようなもの」と批判の声が上っている。
アメリカも、こと貿易に関しては、完全なダブルスタンダードですから、困ったものです。農作物問題など、日本はアメリカに譲歩する必要はないですね。この自動車問題も、断固たる態度で、アメリカと互していって欲しいですが、まぁ、腰抜けの政治家・官僚連中は尻尾を振るんでしょうね。
ビッグ3のことは、当面は、資金繰りの問題として処理されるのでしょうが、将来的にはどうなるかわかりませんね。
昔の日米貿易摩擦、というのを思い出しますが、その再来があるのか無いのか。