日本海溝、深さ7700mの「超深海」に棲む魚の撮影に成功したそうです。これまで撮影された深海魚のうち、最も深いとのこと。日本とイギリスが共同で調査機器を設置したそうですが、超深海の環境に耐えうる調査機器をつくる技術もすごいものですね。
結構活発に活動し、17匹ぐらいが一緒に写っている映像もあるそうで、これまでの超深海魚の常識(数は少なく、動きも少ない)をくつがえすものだそうです。
7700mといえば、約770気圧で、地表面の770倍の圧力がかかっています。また水温も1.7度と非常に低く、過酷ですが、そんな環境でも生きている命があるのですね。
生きているということは、当然餌も存在しており、死体を分解するものなどもいて、超深海でうまくまわっている生態系があるということになります。不思議ですが、生命とはなんと強いものなのでしょうか。
魚の姿は、引用元のasahi.comに写真があります。「シンカイクサウオ」という魚のようです。見た目は、白いオタマジャクシのような感じ。光がささないので白いのですね。
深海魚は見慣れない変わったかたちのものが多いですが、このシンカイクサウオもそうですね。過酷な環境で生きていくには都合がよいのかも知れません。
撮影だけでなく、わなを使って3匹ほど捕まえたそうです。研究のため調べるようです。超深海魚を地表まで連れてくるのは、かなりゆっくりと注意深くしないと、圧力差がありすぎて、身体が変形してしまいそうな気がしますが、素人の杞憂でしょうかね。浮き袋が口から飛び出す、程度の騒ぎでは無いような。
私たちにとっては、超深海は日常から離れた、言ってみれば「夢の世界」のようなものですが、一方で超深海に棲む魚たちにとっては、世界的な株価暴落など、まさに「別世界」のできごと、ですね。
asahi.com
「超深海」7700メートル 活発に動く魚を撮影
2008年10月10日21時56分
東京大海洋研究所などのチームは10日、深さ7700メートルの「超深海」にすむ魚の映像を公開した。これまでに撮影された中で最も深いという。
茨城県沖の日本海溝の水深7703メートルの海底に先月末、英アバディーン大と共同で調査機器を設置。えさのサバに寄ってきたところをビデオカメラでとらえた。オタマジャクシのような形で、大きいものは30センチ以上。カサゴ目クサウオ科のシンカイクサウオとみられるという。
超深海は光が差さない漆黒の世界。水温1.5度、水圧は地上の700倍以上という過酷な環境にもかかわらず、活発に動き回る姿が同時に17匹も映っているシーンも。超深海魚は極めてまばらに生息し、ほとんど動かないという「常識」を覆す映像だ。
チームは「やな」というわなで3匹を捕獲。海洋研の西田睦所長は「遺伝子などを調べ、どうやってえさのありかを知るのか、低水温の中でなぜ活発に動けるのかなどを突き止めたい」と話した。