今年の3月、埼玉県三郷市で、母親の育児放棄により、2歳の双子のうちひとりが亡くなり、 ひとりが入院する事態になった事件の初公判のニュースが、asahi.comに出ていました。
事件の発生時は、あまり気にかけていなかったのですが、初公判の記事を読むと、奇妙なことになっています。 この母親は、6歳児に双子の世話をさせ、自分は「一人の女として自由になりたい」と子供たちを置去りに家を出てしまいます。
その後、6歳のお兄ちゃんががんばったものの、ひとりは亡くなってしまいました。ただ、 子供たちは母親の実家に間借して住んでいた、ということなのですが、祖父母は、孫を助けることは無かったようです。 6歳や2歳の子供、しかも血縁のものが困っていたら、普通は助けよう、と思うのでは?一体どんな事情があったのやら。
裁判の時、長男の供述が読上げられたとのこと。一生懸命に弟たちの世話をしたようですが、 亡くなってしまったことに責任を感じているようです。母親をかばう一面もあったとのこと。
6歳といえば、幼稚園の年長か、小学1年ぐらい。まだまだ自分自身も親に甘えたい年頃だろうに、 けなげにがんばったのですね・・・・・・こんなこと、母親とその親族が異常なのであって、 子供には何の罪も責任もないだろうに・・・・・弟が亡くなった時に母親が「お前はクビだ」なんて、全く訳が分らない! それでも母親をかばう、というのは、子供にとって親の存在はかけがえがない、ということなのですね。
育児放棄をした母親は、一体どう思っているのでしょうか。弁護側は「育児放棄になりやすい状況だった」と、 育児放棄には、本人の意志以外の要因もある、と主張しているようです。自分の行いを反省しているのか、どうか。 事件を起して、裁判になって初めて、少しは身に染みたのかも知れませんが、もはや手遅れか。
残された子供たちが、心も身体も健やかに育てば良いのですが。
asahi.com
6歳、捨てられてもたたかれても母をかばった 埼玉
2008年8月21日6時9分
埼玉県三郷市の民家で3月、幼児3人が置き去りにされ、島村健太ちゃん(当時2)が死亡、 双子の長女が負傷した事件で、保護責任者遺棄致死傷の罪に問われた母親の無職島村恵美被告(30) =同市早稲田2丁目=の初公判が20日、さいたま地裁であり、島村被告は起訴事実を大筋で認めた。動機については 「育児の煩わしさから逃れ、交際男性との同棲(どうせい)生活を送るため」と指摘した検察側の主張に対し、 「育児放棄になりやすい状況だった」とし、複合的な要因によると主張した。
検察側は冒頭陳述などで、島村被告は2月、双子の父親で名古屋に単身赴任中だった内縁の夫とは別に、 近くの居酒屋店員と交際を開始。店員と2人で近くに借りたマンションで同棲したいと考えるようになり、3月3日ごろ、 「ママはもう戻らない。後はよろしく。(妹と弟の)面倒見てね。おなかがすいたら電話をかけて」と言い残し、 子どもを置き去りにしてマンションに移り住んだ、と指摘。
事件当時6歳だった長男が1日数十回、「弟や妹が泣いている」と電話で助けを求めたが、 島村被告はせいぜい1日1〜2回、子どもたちのいる祖父母宅の玄関先に行って、 ハンバーガーやパンなどの出来合いの食べ物を長男に渡すだけで、おむつ交換などをしなかったと指摘。 児童相談所職員などとの面会も拒み続け、「20歳前半から育児に追われていたので、一人の女として自由になりたい」 と供述したという。
一方、弁護側は、健太ちゃんが夜泣きがひどかったことや内縁の夫や実母らの支えもなく、 「育児放棄になりやすい状況だった」と主張。「交際を始めたばかりの男性に癒やしを求め、育児放棄がエスカレートした」 と述べた。
起訴状によると、島村被告は店員と同居するため、3月3日以降、 間借りしていた祖父母宅の3階の部屋に3人を放置。12日に健太ちゃんを脱水症や低栄養で餓死させ、 長女に脱水症などで10日間のけがを負わせたとされる。
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この日、長い髪を後ろで結い、グレーのトレーナーにジャージー姿で入廷した島村被告。裁判長の問いかけに、 小声で答え、うつむきながら落ち着かない様子だったが、検察側が長男の供述を紹介すると、 あふれる涙をこらえることはできなかった。
「ママが作ったシチューやカレーが大好き」という長男。母親が去った感想を検察官が聞くと「我慢できなかった。 さびしかったよ。何度も電話したけど全然出ない」と答えたという。
ゴミが散乱する部屋で出来合いのパンやハンバーガー、お菓子を買い与えられる日々。 「残っていたご飯を食べようとしたら腐っていた。冷蔵庫もないから」。当時2歳の妹と弟を一生懸命笑わせようとしたが、 長女が笑っても、「弟(健太ちゃん)はずっと泣いていた」という。
健太ちゃんの死を目の前にした島村被告は「お前はクビだ」と長男を平手で一発たたいたという。それでも長男は 「本当に全部ボクが悪い。面倒みろと言われていたのに、全然お菓子とかあげないで」と母親をかばったという。
身を守る術のない子どもは、たとえ鬼畜の親であっても生き抜くためには頼るしかない。
健気な6歳児の言葉を聞くと胸が痛みます。。。
このような、子供が親を慕う姿を見ると、ひとりの親として、しっかりしないといけないな、と改めて思います。