すでに、そういえばそんなこともあったなあ、というぐらい間が空いてしまった、殺虫剤・ メタミドホス入りの中国産毒ギョウザによる中毒事件。この記事のタイトル、なんか「中」ばかりになってしまいました。事件は、 今年の1月の末ぐらいの出来事でしたが、それが昨日、中国国内でも中毒被害が出ていたことがわかりました。
大多数の日本人は、中国での製造過程で殺虫剤が混入したと思っているだろうし、 中国では他の様々な食品でも中毒や死亡事故が起きているので、「中国国内で被害があった」と聞いても今更驚きもしないでしょう。
問題の「天洋食品」が、事件後に回収したギョウザによる被害、ということですが、おおかた、回収したものを中国国内でまた販売した、 といったところなのでしょうか。だとすれば、いかにも中国らしい顛末です。
気になるのは、北京オリンピック開幕直前のこのタイミングで、なぜ明らかになったか、ですね。日本への連絡は、 洞爺湖サミット前だったそうですが、読売がすっぱ抜くまでは公表されなかった、ということのようです。
中国はオリンピックが終わるまでは、日中間の問題対処は出来ない、とも言っているそうです。中国好きな福田政権は、 中国様の希望を了承しているということなので、何も自国に不利な事実を明らかにしなくても良いような気がします。
オリンピックが終わるまで対処するつもりが無いのに、どうしてオリンピック前に公表するのか?どういう政治的思惑があって、 情報の公開に踏み切ったのか?
ウィグルのテロ活動から注意をそらさせるためか、先日の日本人マスコミ関係者への暴行事件に対する一種の詫びなのか。あるいは、 オリンピック関係で訪れるであろう、外国人への警告か。
素人考えでは理解できないですね。
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YOMIURI ONLINE
中国外務省、冷凍ギョーザによる中毒の国内被害を認める
中国製冷凍ギョーザ(餃子)中毒事件に絡み、中国外務省は6日、報道官談話を発表し、製造元の「天洋食品」(河北省) が事件後に回収したギョーザで、6月中旬、有機リン系殺虫剤メタミドホスによる被害が出ていたことを初めて公式に認めた。
町村官房長官も6日夕の記者会見で、8日の北京五輪開会式に合わせて行われる日中首脳会談で、 この事件が取り上げられるとの見通しを明らかにした。
【北京=牧野田亨】この日の談話は「中国政府はこれを高度に重視し、公安部門が全力で捜査中」との内容。 日本の報道を受けた迅速な対応で、事件の解決に前向きな姿勢を示す狙いがあるとみられるが、 回収したギョーザが流出した経緯や被害者の人数、被害状況は明らかにしていない。
◆「公安当局が捜査」中国が説明◆
これに関連し、外務省の兒玉和夫外務報道官も6日の記者会見で、在北京日本大使館を通じ、 事実関係を中国外務省に確認できたとしたうえで、中国側が〈1〉日本の事件との関連性も含め、引き続き捜査する必要がある〈2〉 公安当局が捜査を展開している――と説明したことを明らかにした。
警察庁では、中国公安省が北京五輪のテロ対策の最前線に立っていることから、五輪閉幕後にも、 中国で中毒を引き起こしたギョーザの鑑定結果など捜査の進ちょく状況について説明を求める考え。 日本からも鑑定資料などを提供する用意があることを改めて伝える方針で、今後、捜査協力が進むとみられる。
福田首相も野田消費者相に対し、消費者の不安に対応するよう「しっかり取り組んでほしい」と指示した。
この事件を巡って、警察庁と中国公安省の公式協議は4月9日以降、中断していた。 中国側が先月の北海道洞爺湖サミット前になって、この情報を日本側に伝えてきたのは、サミットでの日中首脳会談を意識したものと言える。
中国にとって不利な情報を提供することで、日本側に中国の努力を理解してもらえるとの思惑もあったとみられる。ただ、 「積極的に捜査している様子はうかがえない」(日中関係筋)との指摘もあり、中国の中毒事件と日本の事件と関連性も含め、 全容を解明できるかどうかは不透明だ。
(2008年8月6日22時03分 読売新聞)
産経ニュース
五輪成功目標の中国に配慮 ギョーザ問題解決、先送りに同意の日本
2008.8.6 19:27
中国製ギョーザが同国内でも中毒事件を起こしていたことを受け、町村信孝官房長官は6日、 8日の日中首脳会談で早期の事実解明に向けた捜査協力を確認するとの見通しを表明した。ただ、 北京五輪の無事成功を至上命題とする中国側は、これまでに日中間の諸懸案の協議は五輪終了後に先送りしたいとの希望を伝えてきており、 日本側も了承していた。食の安全という国民の関心事についても中国側の事情への配慮を続ける日本政府の「待ち」の姿勢が問われそうだ。
五輪開会式出席のため、8日に中国を訪問する福田康夫首相は、温家宝首相、胡錦濤国家主席と相次いで会談するが、 当初はギョーザ事件を取り上げるとは決まっていなかった。
両国は7月以降、首脳会談のテーマについて協議を開始。その際の中国側の意向は、ギョーザ問題、 東シナ海のガス田問題などの懸案事項は「五輪が終わるまでは何もできない」というものだった。五輪開会前に問題がクローズアップされ、 中国国内で政府批判が沸騰することを懸念したためだ。
実際、7月中に公表予定だった日中両国の歴史学者らによる「日中歴史共同研究」の報告書も、 歴史認識をめぐる対立を起こしかねないため、五輪後に先送りとなっている。日本側もこうした諸般の事情に配慮を示し、 「基本的に五輪開催に祝意を示すための訪中」(外務省筋)と位置づけることに落ち着いた。
今回、中国側が国内での中毒事件発生を認めた経緯には「回収されたギョーザを食べているなど不自然な点がある。 早期の問題決着を急いだ中国政府が無理やり解決のためのストーリーを書いたのではないか」(日中外交筋)という疑問も出ている。
首相自身は6日、「捜査上の問題もあるので説明するわけにはいかないが、(日中での協議が)進行中であると理解してほしい」 と述べたが、「(早期解決が必要だという点で)中国側と首相の思惑が一致したのだろう」(政府関係者)いう見方もある。
首脳会談でギョーザ問題が、単なる友好確認の道具として使われるだけに終われば、 消費者行政の充実を最重要課題とする首相の姿勢に疑問符がつきそうだ。
国内の不安材料は抑えこむという状況でしょうね。
この情報の出所を考えるとやはり中国の思惑があり、
福田首相も「協力」?ということでしょうか。
http://shadow99.blog116.fc2.com/blog-entry-835.html
公表は、中国の国内対策のため、ということなのでしょうか。
不満の吐出し口にでもしたんでしょうかね。