先日の全国一斉休漁に対して、政府は漁業支援の方針を決めたそうです。引用記事は昨日の時点のものです。今日、 正式発表されるということですが、該当するニュースはまだ見ていません。
対策は、水産物の買取り、省エネ目的への無利子融資、省燃油実証事業などだそうで、このうち「省燃油実証事業」が、 事実上の燃料代の補填に当るようです。
燃油消費量を1割上削減する努力をした、5名以上の漁業者グループに対し、昨年12月まで遡り、 燃油の価格上昇分の9割を政府が補填するそうです。8月から始めて今年度中は継続、 原油高の状況によってはさらに2年延長するらしいです。
他国でも同様な政策を行っているそうです。対策の財源を、新たに追加ではなく、やりくりして捻出する、 というのは評価ができますが、漁業関係者への当面の対策で、根本的な問題解決にはつながらないでしょう。ある意味、 先送りにした感があります。
また、燃油の補填は、何やかやと理由がつけられて、結局今後2年間は続くのではないでしょうか。「原油高」 という判断基準が曖昧な感じ。しかし、全国で80億円ではいかにも少ない額だと思われるので、主眼は水産物の買取りかもしれませんね。
以前から囁かれている、総選挙向けの人気取り対策、ということもあるでしょう。これで、他の業界から 「助けてくれ〜」と大きな声が上がってきたら、政府はどのように対応していくのか。
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asahi.com
漁業支援に745億円 政府・与党、燃料高騰を補填
2008年7月28日22時16分
政府・与党は28日、新たな原油高対策として、漁業用の燃料費の値上がり分の大半を事実上、直接補填(ほてん) する方針を決めた。補填を含む緊急対策の総額は745億円で、29日に正式に発表する。 政府は価格補助政策は市場原理に反するとの立場だったが、漁民の窮状に配慮して方針を変えた。
自民、公明両党は、民主党が昨夏の参院選で打ち出した農家などへの戸別所得補償制度を「バラマキ」 と批判してきた。しかし、原油高に苦しむ有権者の要望を受けて昨年暮れから政府に具体策を求め、 直接補填まで踏み込むことを後押しした。
「燃油高騰水産業緊急対策」の内訳は、 水産物の買い取り400億円▽省エネ目的の無利子融資200億円▽省燃油実証事業80億円▽休漁・ 減船などの支援65億円。財源は既存の予算に盛り込まれた事業の活用などで捻出(ねんしゅつ)する。
このうち、事実上の直接補填に当たるのは「省燃油実証事業」。 燃油消費量を通常より1割以上削減する省エネ努力をした漁業者グループ(5人以上)を認定、 昨年12月からの燃油費の上昇分の9割を政府が負担する。8月中の開始を目指しており、今年度末まで続ける。 原油高が続けばさらに2年延長する方向だ。
政府は、原油高対策で他国の価格補助政策を批判してきた。今年6月、 青森市で開かれた日米中など5カ国エネルギー相会合では、議長国としてまとめた共同声明に 「エネルギーに対する価格補助金は段階的、漸進的な撤廃に向けて動くことが望ましい」と明記した。 「高騰すれば需要が抑制され、需給バランスが安定し、省エネのインセンティブが働く」(資源エネルギー庁幹部) との理由からだ。
今回の緊急対策でも「燃油消費量を1割以上削減」という条件を課しているが、与党内では 「できれば全漁業者が対象になるようにしたい」(浜田靖一・自民党水産総合調査会長)との声が大勢で、 支援基準がなし崩しになる可能性もある。