1週間ほど前に流れていたニュースですが、日本医大の教授がマウスを使った実験で、 水素水(水素が大量に溶け込んだ水)を飲ませたマウスは、通常の水を飲ませたマウスよりも記憶力が顕著に高い、 という結果を得て、ある科学誌に発表したとのこと。
あるいは認知症の予防や治療への応用も期待できる発見のようです。認知症は今のところ、 進行を抑えることは可能だが治療法が無いそうで、しかも増加傾向にあるとのこと。
それに水素水が効くとなれば、福音となるでしょう。他の研究グループが裏付けをとるなど、今後の研究を進めて、 効果の根拠をはっきりとさせて欲しいところですね。
こういう成果が中途半端に知られたままだと、高齢者向けの「水素水商法」でただの水を水素水と偽って、 高額で売りつけよう、なんてのが現れて、被害を被るケースが出てきそうです。
科学的根拠として都合良く使われるのは、研究者としても本意ではないでしょうし、逆に水素水=詐欺商法のネタ、 という認識になってしまったら、いくら実際に効果があるとしても、一般に受入れられなくなる可能性もあります。
YOMIURI ONLINE
水素水に記憶力低下抑制効果、日医大教授がマウスで確認
水素水を飲むことで、記憶力(認知機能) の低下を抑えられることを日本医大の太田成男教授らが動物実験で確認した。
認知症の予防や治療にも道を開く成果で、科学誌ニューロサイコファーマコロジー電子版に発表した。
ストレスによって記憶力が低下することは知られている。研究チームは、マウスを狭い空間に閉じ込め、 餌を与えないなどのストレスを加えたうえで、記憶力が、 水素が大量に溶け込んだ水と通常の水を飲ませた場合でどのくらい違うか、10匹ずつ、 三つの方法で6週間かけて比較した。
その結果、いずれの場合も水素水を飲ませた方が記憶力が顕著に高く、ストレスのないマウスとほぼ同等だった。 記憶をつかさどる脳の領域(海馬)における神経幹細胞の増殖能力も同様の傾向だった。
研究チームは昨年、水素が活性酸素を取り除き、脳梗塞(こうそく)による脳障害を半減させることを確認。 認知症は活性酸素などによって神経細胞が変性する病気とされるが、太田教授は 「水素水を飲まないマウスの海馬には活性酸素によって作られた物質が蓄積していた。 水素水が活性酸素によって低下した神経細胞の増殖能力を回復させ、記憶力低下も抑制したと考えられる」と話している。
(2008年7月19日01時27分 読売新聞)