今日の深夜0時30分頃、岩手県北部を震源とし、震度6強を観測する強い地震が発生しています。今のところ、 ケガ人はでているものの、死者が確認されていないのは不幸中の幸いといえるでしょうか。被災地の方々にはお見舞申上げます。
記事タイトルは、asahi.comにあった「岩手北部地震」という名前を持ってきましたが、 気象庁は今回の地震に対して命名する予定は無いそうです。命名にも基準があり、それに達していないとのこと。
大きな被害を出した、岩手・宮城内陸地震から1ヶ月余でまた大きな地震が起きました。先月の地震とはタイプが違い、 今回の地震は、深いところに震源があるプレート型の地震だそうで、揺れの周期の関係により、 家屋への目立った被害は少なく済んでいるようです。
こうも地震が続くと、被害もさることながら、気持も落着かないことでしょう。被災地周辺の方々の心中お察しします。
今回の地震と、将来起きるであろうと予測されている宮城県沖地震との関係が懸念されているようです。 地震発生をコントロールすることはできないので、危機感を高めて、地震への備えをしておくべきなのでしょう。
今は東北地方で、地震活動が多いですが、他の地域でも注意しておかないとダメですね。起きて欲しくはありませんが。
asahi.com
東北で強い地震 岩手・洋野で震度6強 青森・八戸6弱
2008年7月24日1時39分
24日午前0時26分ごろ、岩手県沿岸北部を震源とする地震があり、岩手県洋野町で震度6強、同県野田村、 青森県八戸市で震度6弱など、東北地方の広い範囲で大きな揺れを観測した。各地でけが人や火災、 落石などが発生している模様だ。岩手県は午前0時45分、陸上自衛隊に派遣要請をした。
気象庁は午前0時26分35秒に最初の地震波を検知、約21秒後の26分56秒に「岩手県沿岸北部、 同南部と同県内陸南部で震度5弱程度」とし、一般向けの緊急地震速報を発表した。 東北地方では6月14日にマグニチュード(M)7.2の「岩手・宮城内陸地震」が発生したばかり。
警察庁は警備局長をトップとする災害警備本部を立ち上げ、 航空自衛隊は状況を把握するために茨城県の百里基地からF15戦闘機2機を自主派遣。 陸上自衛隊も現地にヘリコプターを派遣するための準備に入った。
JR東日本は午前1時20分現在、地震による運行への影響は不明としているが、寝台特急「北斗星」 が岩手県内で立ち往生しているとの情報もある。今後、高架橋やトンネルなどに影響がないか調べる。
気象庁の24日午前0時30分すぎの発表によると、震源の深さは約120キロ、地震の規模マグニチュードは6. 8と推定されている。震度5弱以上を観測したのは、岩手、青森、宮城の3県。また、関東地方でも、 茨城県日立市で震度4を観測した。
震度6強を観測した岩手県洋野町では、役場に職員が集まった。町職員によると、最初に縦に揺れた後、 横揺れが1分ほど続いた。庁舎は一部、壁がはがれ、本棚も倒れたという。
青森県六ケ所村の使用済み核燃料再処理工場を運転する日本原燃(本社・同村)によると、 地震によるトラブルの報告は入っていない。東北電力東通原子力発電所によると、定期検査を実施している東通原発1号機 (沸騰水型、出力110万キロワット)は検査の最終段階である調整運転を続けているが、地震の影響はなく、 運転を続けているという。
2008年7月24日11時44分
岩手県沿岸北部を震源とするマグニチュード6.8(推定値)の地震の影響で、 青森県や岩手県などで少なくとも100人がけがをし、うち18人が骨折などの重傷となっている。
朝日新聞のまとめでは、24日午前11時現在のけが人は、青森県で49人(うち重傷5人)、岩手県で35人 (同8人)、宮城県で11人(同3人)、秋田県で2人、山形県で1人(同1人)、北海道で1人(同1人)、 千葉県で1人。
岩手県洋野町で女性(58)が転んで太ももを骨折。青森県三沢市では女性(69) が階段から転倒して重傷を負った。同県八戸市でも2人が重傷。宮城県では仙台、石巻、 岩沼市でそれぞれ1人が重傷を負った。
2008年7月24日12時26分
今回の岩手県沿岸北部の地震は、日本列島の下に東側から沈み込んでいくプレート(岩板)の内部で起きた。 プレート内地震とよばれ、6月の岩手・宮城内陸地震のような活断層型やプレート境界型地震とはタイプが異なる。
八木勇治・筑波大准教授の解析によると、深さ約100キロにある地震を起こした断層は、長さ約30キロ、 幅約10キロで、最大のずれ幅は約1.5メートル。断層の大きさから算出したモーメントマグニチュード(Mw)は6. 9で、阪神大震災や岩手・宮城内陸地震とほぼ同規模だった。
プレート内の地震は、発生頻度が低く繰り返しの周期などの調査や予測が難しいという。 地震についての政府の長期評価も活断層型とプレート境界型が対象で、プレート内地震は基本的に対象外。平田直・ 東京大地震研究所教授は「最も評価しにくいタイプの地震。起こることは分かっているけれど、 次にどこで起こるかを予測することは難しい」と話す。
目立った被害が少なかったことについて、古村孝志・東京大地震研究所教授は、プレートが瞬時に割れたため、 周期0.1〜0.2秒のガタガタとした細かい揺れが多く、 木造家屋に大きな被害を与える1〜2秒の地震波はほとんどなかったからとみている。
大竹政和・地震予知連会長は「ここ数年、東北地方では地震活動が活発化しているが、活動期とまではいえない。 78年の宮城県沖地震の1年ほど前にプレート内地震が起きており、今回の地震が次の宮城県沖地震を早めるのかどうか、 慎重に分析を進める必要がある」と話している。