中国の黒竜江省ハルビン市で、昨年11月に完成したばかりの高架橋の一部が崩壊し、走行中のトラック4台が高架下の道路に落下、3名が亡くなり5人が重傷を負ったとのこと。
8車線のうち2車線分が、長さ130mにわたって崩壊したそうなので、かなりの規模です。元記事の写真では、きれいに橋が崩落して、倒れてしまっています。
ハルビン市の説明によると、事故の原因は「トラックの過積載」だそうです。
しかし、たかだか4台の過積載トラックが走行して崩壊に至るというのであれば、設計上の荷重想定が完全に間違っています。
中国でどの様な設計基準が用いられているのか知りませんが、過積載は考慮していないとしても、少なくとも橋にクルマが満載している状態は考えているのではないかと思います。そのような状態を考慮していれば、4台の過積載トラック程度で破壊に至ることは無いでしょう。
崩落した橋は鉄筋コンクリート(RC)構造、というのがasahicomに出ていますが、これが本当だとすると、それほどスパンを飛ばせないので、恐らく15〜20m間隔ぐらいで橋脚が立並んでいたのではないかと思われます。
そして、RC構造がこのように脆い破壊の仕方をするということは、あるところでせん断破壊が起きて一部が崩壊し、ドミノ倒しのようにその前後が崩落していったのではないかと想像します。
せん断破壊に対しては、急激に破壊が進んで危険なので、設計でもいろいろと配慮を行う点ですが、これに対して対策がとられていたのかどうか。
真の事故原因は、調査をしないとわからないことですが(中国の場合は調査をしても隠蔽されて終りかもしれません)、かなり大きな設計ミスか、もしくは相当にひどい手抜き工事かのいずれかだと考えられますね。
もっとひどいケースを考えると、設計ミスと手抜き工事の合わせ技かもしれません。
過積載のトラックばかりがひっきりなしに通る状況であれば、その過密な走行に橋が耐えられず、少しずつ破壊が進んで遂に大きな破壊につながった、と考えられなくもないですが、それにしても完成して1年に満たない橋がそうなるのは、やはり異常事態です。
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